白牡丹四五日そして雨どつと
高田風人子
やっと晴れたここ数日。晴れた休みと言うだけで、いろいろなことが片付いて進んでいく。のだけれど…
白牡丹四五日そして雨どつと
白牡丹はことに晴れが必要だ。色がないからこそ、光がその姿を形作るからだ。そして、風。日の中を吹く風が白牡丹の表情の大部分となる。
そんな白牡丹を十分に体現した四五日が過ぎて…雨だ、その数日をすべて断ち切るような雨。しかし、その激しい雨がまた、牡丹の姿を次に進めることもある。
高田風人子は大正十五年生まれ、昭和十九年より『ホトトギス』へ投句。二年後より『玉藻』に投句を始め、立子の笹子句会に学んだ。
それにしても、この不思議な体感はどこから来たものだろう。咲いている牡丹からの視点かも知れない。
ここ数日の風の軽さは夏なのだろう。次に梅雨が来るまでの、雨さえも軽いこの時期の、でも、やっぱり四五日の晴れでありますように。
(阪西敦子)
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【執筆者プロフィール】
阪西敦子(さかにし・あつこ)
1977年、逗子生まれ。84年、祖母の勧めで七歳より作句、『ホトトギス』児童・生徒の部投句、2008年より同人。1995年より俳誌『円虹』所属。日本伝統俳句協会会員。2010年第21回同新人賞受賞。アンソロジー『天の川銀河発電所』『俳コレ』入集、共著に『ホトトギスの俳人101』など。松山市俳句甲子園審査員、江東区小中学校俳句大会、『100年俳句計画』内「100年投句計画」など選者。句集『金魚』を製作中。
【セクト・ポクリット管理人より読者のみなさまへ】