コンゲツノハイク【各誌の推薦句】

【結社推薦句】コンゲツノハイク【2021年10月分】


セクト・ポクリットでは2021年1月より、「コンゲツノハイク」をはじめました。前月に刊行された俳句結社誌・同人誌の最新号から「(最大)7句」を推薦いただき、掲出するコーナーです。今月は、34結社にご参加いただきました!ご参加、ありがとうございます。

このページの句から一句選んで鑑賞する読者参加型コーナー「コンゲツノハイクを読む」、10月20日締切です。どなたでもご参加いただけますので、詳しくはこちらをご覧ください。

来月分のコンゲツノハイク(10月31日締切)については、こちらのフォームからご投稿ください


コンゲツノハイク 2021年10月
(2021年9月刊行分)

今月の参加結社(34)=「秋」「秋草」「いには」「稲」「炎環」「円虹」「火星」「かつらぎ」「銀化」「銀漢」「雲の峰」「櫟」「香雨」「澤」「磁石」「秋麗」「青山」「蒼海」「鷹」「たかんな」「滝」「田」「天穹」「童子」「南風」「鳰の子」「濃美」「ひろそ火」「ふよう」「松の花」「百鳥」「街」「雪華」「楽園」


「秋」(主宰=佐怒賀正美)【1961年創刊・東京都練馬区】
<2021年9月号(通巻597号)>
夏帽子宇宙の臍を採りにゆく     青柳 飛
川風の荒きにひるむ更衣       原田要三
蝶つかむ武骨なる手をはばからず   原田要三
火蛾の影青き海図の最深部      阿部まりあ
有無言はさぬ体のたけのこ届きけり  阿部まりあ
あいまいな生死のほとり泉湧く    百田登起枝
道わたり終へて鹿の子脚しなふ    昆 千鶴子


「秋草」(主宰=山口昭男)【2010年創刊・兵庫県神戸市】
<2021年10月号(通巻142号)>
水の端は泡集めて秋暑し       山口昭男
雨のこと忘れて雨の桔梗見る     橋本小たか
波音と睡らうとして秋の耳      三輪小春
子育や冷素麺のぬめりをる      小山尚子
暫くは水鉄砲に残る水        水上ゆめ
パラソルの影整へる金魚売      渡辺一二三
葉つぱごと天道虫を見せにくる    小濱 准子


「いには」(主宰=村上喜代子)【2005年創刊・千葉県八千代市】
<2021年10月号>
女には肘の力やいなつるび      村上喜代子
万緑や地をゆるがして牛の尿     遠藤由紀子
月山の水が育てしさくらんぼ     大久保文夫
草むしり過去へ過去へと扉の開き   名取光恵
余生とは余白にあらじ梅雨晴間    阿知波天然
上げ潮の音きき澄ます夜の秋     佐久間由紀子
子路問うて孔子の答ふ行々子     斉藤信一


「稲」(主宰=山田真砂年まさとし【2021年1月創刊】
<2021年9月号(通巻6号)>
口紅の減らぬ暮らしや夕焼雲     飛田小馬々
小余綾の磯に踏み出す秞子の忌    滝代文平
刈ればまた育つ夏草一揆の地     沼田布美
夏の川白きこむらに水かげろふ    國益悦子
亀の子の溺るるやうに進みけり    中村かりん
夏兆す妻のサラダの作り過ぎ     高原貞夫
テレワーク時に中座や胡瓜もみ    高田 峰


「炎環」(主宰=石寒太)【1989年創刊・埼玉県志木市】
<2021年9月号(通巻495号)>
七夕の笹のさやぎや楸邨忌      石寒太
朝薄暑子の二皿のバイキング     田辺みのる
隣り合ふ学校三つ青榠樝       根岸幸子
よそふとき栗乗せ直し栗ごはん    岡田由季
夏雲や秩父事件の志士の墓      真中てるよ
父の日のテイクアウトとなりにけり  添田勝夫
夕焼を待つ病院のヘリポート     宮本佳世乃


「円虹」(主宰=山田佳乃)【1995年創刊・兵庫県神戸市】
<2021年9月号(通巻32号)>
空へ舞ふスケートボード南風吹く   大村康二
時に尾を震はす雀さみだるる     野村陽子
対岸へ蛍の闇の移りけり       真鍋孝子
青空にたぎるが如き栗の花      井上壽
溝浚へ終へて合図の水走る      坂田民江
新聞の文字引つ張つてなめくじら   奥村長子
皆靡く方に靡きて花藻かな      寺岡翠


「火星」(主宰=山尾玉藻)【1936年創刊・大阪府大阪市】
<2021年9月号(通巻980号)>
けふも暑しと横向ける魚拓かな    山尾玉藻
鵜を篭に畳み込んだる烏帽子かな   浜口高子
海芋白し小池都知事の靴の音     戸田春月
しみじみと語るに落つる心太     深澤鱶
形代の目許のほのと見えてきし    蘭定かず子
でで虫の雨三昧の腿あらは      湯谷良
梅雨蝶の風にあらがひ来るところ   山田美恵子


「かつらぎ」(主宰=森田純一郎)【1929年創刊・兵庫県宝塚市】
<2021年9月号(通巻1101号)>
袋掛星田の里を彩りぬ        森田純一郎
雲すでに秋の気配や三角点      平田冬か
蝌蚪の水覗くや雲に乗る心地     村手圭子
イスラムの路地の狭きに燕来る    阪野雅晴
地虫出て外輪山を転げけり      小林恕水
更衣なにか忘れてゐるやうな     中村幸子
薫風や人生にまだ持ち時間      木戸口真澄


「銀化」(主宰=中原道夫)【1998年創刊・東京都港区】
<2021年10月号(通巻277号)>
泣き止むか氷菓が溶けてしまふのか  田口武
擦る墨にかすかな魚臭日雷      中村堯子
月下美人房事に閑のありとせば    越野蒼穹
拠り所池塘に求め旱星        十見達也
麦こがし男ばかりが噎せてをり    山本則男
かなかなの空を山折谷折に      西野徹
やうやくの雨にやすらふ団扇かな   篁李月



銀漢(ぎんかん)」(主宰=伊藤伊那男(いなお)【2011年創刊・東京都千代田区】
<2021年10月号(通巻130号)>
河童忌や人恋しくて人嫌ひ     伊藤伊那男
置き場所を決めかねてゐる蝮酒    山田茜
貴船川床箸を落とせば濁世へと    中島凌雲
髪洗ひ鏡の中の母に会ふ       松代展枝
狗犬の口を開けたる大暑かな     山元正規
風にある昭和の音や氷旗       高橋透水
明方は手の早くなる踊かな      こしだまほ


「雲の峰」(主宰=朝妻力)【1989年創刊・2001年結社化・大阪府茨木市】
<2021年9月号(通巻363号)>
笹鳴らし過ぐる文月の夜風かな    朝妻 力
泥水にたつぷり浸す藺草かな     岡山裕美
梅雨明の三歩の渡渉し損じる     奥野雅應
すててこで朝刊を取る水を遣る   三澤福泉
時鳥聞き延泊となりにけり     糟谷倫子
孑然と湖北の上の雲の峰      平井紀夫
振り売りの胡瓜に花の名残かな   新倉眞理


「櫟」(主宰=江崎紀和子)【1993年創刊・愛媛県東温市】
<2021年9月号(通巻336号)>
守宮でてやうやく家族らしきもの  杉山望
空の躁水の鬱見て鴎外忌      田邨雅美
梅雨の雷後生大事に通信簿     戸田一雄
身内に抗体育て梅雨ごもり     渡辺美紀子
兜虫少し時間のかかる愛      岡野晃子
夏柑の汁とばし合ひ老たのし    室展子
くちなしの香り大人はうそをつく  和泉直子


「香雨」(主宰=片山由美子)【2019年創刊・東京都世田谷区】
<2021年10月号(通巻36号)>
沖の船日傘のなかを通りけり    櫨木優子
クレゾールにほふ側溝蟬しぐれ   矢野みはる
太宰忌や辞書でひそかに引くことば 三栖隆介
夕焼や海に落ちゆく観覧車     関田独鈷
しあはせは蓄へられず福寿草    赤松佑紀
スコールの沖より迫る太柱     佐藤未幸
正体もなく崩れたるチューリップ  中島やさか


「澤」(主宰=小澤實)【2000年創刊・東京都杉並区】
<2021年9月号(通巻258号)>
緑蔭に木の卓と椅子休みゆけ      小澤 實
泡出でぬ大蛸塩に揉みたれば      美倉かんな
火蛾指をはなれ蠱毒を残しけり     川口正博
无人机(ドローン)千機にあらしめ光る巨龍や深圳春 今朝
ティグリスもユウフラテスも雷雨かな  山岸樵鹿
手を拍つが喧嘩落語の所作涼し     村上佳乃
深海のデメニギスにも夏来る      田中加代


「磁石」(主宰=依田善朗よだぜんろう【2021年1月創刊・埼玉県蓮田市】
<2021年年9月号(通巻5号)>
秞子忌の鱗粉光る捕虫網      依田善朗
鞍外す馬の背の汗吾の汗      角谷昌子
水よりも重き音立て今年竹     篠崎央子
青蛙の瞳もつとも濡れてゐる    黒澤麻生子
あぢさゐの花の奥なる世の湿り   寺澤佐和子
我が影にまづ強く打つ水鉄砲    大久保 昇
黄金虫乱歩の暗さ背負ひ飛ぶ    飯田冬眞


「秋麗」(主宰=藤田直子)【2009年創刊・神奈川県川崎市】
<2021年9月号(通巻132号)>
残りたる蓮の一花は尼のごと    藤田直子
皆伐の崩崖を露はや梅雨半ば    竹下白陽
土用三郎はらの力のぬけてをり   野々山順子
平家蛍雨夜を草に忍びをり     神吉貴子
夜濯や巴里はやうやく暮れ始め   帆足幾久子
雷鳴や非常口から客がきて     堀米義嗣
明日は咲く宝珠を高く古代蓮    渡邊りつ子


青山せいざん」(主宰=しなだしん)【1982年創刊・神奈川県横浜市】
2021年9月号>
露の世や遺されて啼くばかりなる  山崎ひさを
白雲を生みてパンパスグラスの穂  しなだしん
雨音も雨脚もなき夏至の雨     井越芳子
夏空へ望遠鏡の伸び縮み      神戸美沙子
信号を渡る手に手に捕虫網     入部美樹
小満や机の上に紙と筆       ローバック恵子
郭公や裏山へ向け干すシーツ    中野弥生


蒼海そうかい」(主宰=堀本裕樹)【2018年創刊・東京都新宿区】
<2021年13号(通巻13号)>
林檎酒の金の泡立つ蝶の昼     髙木小都
ぶらんこを譲りつづけてゐる子かな 千野千佳
いくたびも通ひし道や残花なほ   矢崎二酔
苗市や同級生と知りて買ふ     平林檸檬
風船を喪服の人も貰ひゆく     加藤ナオミ
たんぽぽやここは遊んでいい空き地 古川朋子
工作の塔ふはふはと春田道     河添美羽


「鷹俳句会」(主宰=小川軽舟)【1961年創刊・東京都千代田区】
<2021年10月号>
ひと雨のあとに風立ち洗ひ鯉    小川軽舟
薬のむための喫飯夏淡し      今野福子
星ふえて眼涼しき湖畔かな     儀賀洋子
一打差を追ふバンカーの灼けゐたり 井上宰子  
椰子畑抜くれば川津蛍の夜     黒﨑舞句
バイク疾走腰にかなぶんしがみつく 平原桂子 
妻の墓洗ひながらの恨み言     鎌田史郎


「たかんな」(主宰=吉田千嘉子)【1993年創刊・青森県八戸市】
<2021年9月号(通巻345号)>
また一つ遠くに点る魂送り     吉田千嘉子
母に似し人に手を貸す花の冷    河本修子
冷酒酌むもう当確の出る時刻    鈴木興治
父の日を独りの似合ふジャズ喫茶  野村英利
またサビに戻るハミング籐寝椅子  村田加寿子
まだぬくき豆腐小鍋に遠郭公    五十嵐礼子
一匹の蝿追ひ回す梅雨の家     鎌田義正 



「滝」(主宰=成田一子)【1992年創刊・宮城県仙台市】
<2021年9月号(通巻355号)>
空色のソルベひとさじ人赦す    成田一子
銀河濃しあんなところに千社札   石母田星人
湖からの風は過客よ葛ざくら    及川源作
明日も生きん汗の前髪かきあげて  冨澤栄子
句作りは贅沢なことシャワー浴ぶ  芳賀翅子
濁流の生みたる風や月見草     小林邦子
わが影を踏み炎天のど真中     遠藤玲子


(でん)」(主宰=水田光雄)【2003年創刊・千葉県市川市】
<2021年10月号(通巻223号)>
南国のしあはせバナナあれば足る  仲 栄司
弁当に小さき饅頭法然忌      井上圭子
油虫妻の見つけぬうちに追ふ    清水余人
南風ビールケースに傘を挿し    上野犀行
波乗りのボードの幅とすれちがふ  佐藤千恵子
河鹿啼く湯舟にゆふひみたしあり  草子洗
はつ夏や封鎖くまなきスタジアム  平野山斗士


天穹(てんきゅう)」(主宰=屋内修一)【1998年創刊・東京都渋谷区】
<2021年10月号(通巻284号)>
かくれん坊蛍袋も覗く鬼      渡辺花穂
頤を上げて向日葵壮年期      田中国太郎
梅雨籠り鰓もて呼吸する心地    塚本一夫
指笛に踊る島人夏座敷       藤原基子
言はずとも片蔭拾ひ盲導犬     石井九峰
すててこの吾も昭和の遺りもの   松村義隆
役割はカレーの味見キャンプ村   髙野紀子


「童子」(主宰=辻桃子)【1987年創刊・東京都国立市】
<2021年10月号(通刊410号)>
岸離れするりと闇へ螢舟        楡すみこ
湯上りの子の足跡やたかむしろ     幸﨑桂花
投げ石にぱと取り付くや夜光虫     森田遊介
青田道バイク飛ばして嫗来し      柳川えみり
鬼百合や久しく人に褒められず     関口登志
巴里祭や美輪明宏のビブラート     石井野里子
ぢいちやんはサーファー赤のTシャツで  林ミモザ  


南風(なんぷう)」(主宰=村上鞆彦(ともひこ)【1933年創刊・東京都葛飾区】
<2021年10月号(通巻935号)>
暑き日や大きな音がいち度きり    高階尚代
七夕竹担いで朝の教室へ       新治功
ただいまの声紫陽花に吸はれけり   星野早苗
ネクタイの光沢選りぬ夏の雨     森あおい
久闊やビールの泡の生まれたて    湯浅松子
町の名と同じ表札夏燕        日野久子
梅雨深し船組み上がる壜の中     御戸貴史


「鳰の子」(主宰=柴田多鶴子)【2011年創刊・大阪府高槻市】
<2021年8月・9月号(通巻49号)>
形代に画数多き名をしるす      柴田多鶴子
五月には五月の光修司の忌      岩出くに男
若竹のさみどりさやぐ直指庵     新谷壯夫
潮干狩り人出に干潟痩せるほど    岩崎可代子
惜春や辿る道なき摩崖仏       太田健嗣
母に似し姉の声聞く暮れの春     大平玲子
花冷や検診の日の薄化粧       池田和子



「濃美」(主宰=渡辺純枝)【2009年創刊・岐阜県岐阜市】
<2021年10月号(通巻151号)>
田に色の来つゝありけりつづれさせ   渡辺純枝
つひに来しひとりの暮し茄子植ゑる   野田栄子
ねぎらひの言葉吊して星祭       服部呻矢
どくだみや人恋ふに似し微熱あり    金石法子
合歓の花微熱のひと日うとうとゝ    岡田あや子
後退り出来ぬ田植機畦あがる      佐藤すみ子
もてなしの五右衛門風呂と朴葉鮓    大河内ます子


「ひろそ火」(主宰=木暮陶句郎)【2011年創刊・群馬県渋川市】
<2021年9月号(通巻128号)>
杓掛けの釉夏草を汚しけり      木暮陶句郎
水よりも旨きものなき暑さかな    中島弘子
鎌倉の水の華やぐ花菖蒲       糟谷節子
ふと命をしきと実梅落ちにけり    ななさと紅緒
ワクチンを二度打ちけふの茅の輪かな 里村閑
水洗ひしたる網戸の風青し      相庭白雨
太陽の涙のごとく枇杷熟るる     佐々木一栗


「ふよう」(主宰=千々和恵美子)【2005年創刊・福岡県遠賀郡】
<2021年9月号(通巻79号)>
初秋の湖心へカヌーすべりゆく    千々和恵美子
カンナ咲くアラブ漢の料理店     門坂悦代
作り滝水に勢ひのなかりけり     中坪光江  
溶けて捩れた瓶の真実原爆忌     村上智恵子
ひと雨の後のかなかな柩出づ     白井しげ子
盆花の百合の花粉が指に触れ     前原泰子
しばらくは切株に掛けつくつし    宮﨑捷子


「松の花」(主宰=松尾隆信たかのぶ【1998年創刊・神奈川県平塚市】
<2021年9月(通巻285号)>
地球にはすゆきものあり心太     松尾隆信
井戸深く青梅一つ沈みけり      荒井寿一
ビルの玻璃大夕立の雨の筋      中丸しげこ
夏至の夜の筆圧つよき一行詩     森よしこ
小窓より手の出て梅雨の空探る    森脇由美子
植田風板一枚の取水口        廣上正市
炎天の蟻より黒き蟻の影       鈴木大輔


百鳥(ももとり)」(主宰=大串章)【1994年創刊・千葉県鎌ケ谷市】
<2021年9月号(通巻330号)>
旅の夜や林火の花火胸にひらく    大串章
山の湯に先客のあり青葉木菟     太田土男
記紀になき邪馬台国や桐の花     中山世一
人語より鳥語親しき木下闇      松田雄姿
万緑や退院の妻髪を切り       青池亘
青柿や祝詞の声を雨が消し      堀木基之
草いきれ少年の日の秘密基地     中島伸也


「街」(主宰=今井聖)【1996年創刊・神奈川県横浜市】
<NO.151>
短夜の「リピート」を押し続けたる  今井聖
海の子の塩辛さうな日焼かな     小久保佳世子
海水パンツ脱がせ砂とる母の手よ   松野苑子
蝸牛を剝がすサッカーゴールより   紅葉栄子
右脳に壊死の痕跡夏の星       大井正志
ビーチバレー三打連続君が打つ    黒岩徳将
伝票が腕の長さや梅雨の入      髙勢祥子


雪華(ゆきはな)」(主宰=橋本喜夫(よしお)【1978年創刊・北海道旭川市】
<2021年10月号>
虫籠を調べのごとく飼ひ殺す     橋本喜夫
我らみな緑の呼吸(いき)をして辺境     鈴木牛後
泳ぐたび星の座標を確かめる     Fよしと
ひまはりよゴッホの耳はどこですか  小山内美智子
飛行機雲(コントレイル)解けゆくまで夕夏野     中村純夫
鹿の声重なる谷に散骨す       杉野圭志
虫籠を持つひとりづつ消えてゆく   五十嵐秀彦


「楽園」(主宰=堀田季何)【2021年創刊】
<第1巻第3号(通巻3号)>
氷食みひとのかたちをとり戻す      半片
熱帯夜地球のどこかで臓器くじ      未猫
squealing after the massacre pigs in suits John McManus
マシン語の二桁づつの涼しさよ      姫野理凡
椅子の下は深い海なので胡座       緒方一日
蹴るによき青柿しかとけつとばし     高木ふく子
ルーシーのつたひ歩きや夏未明      高村七子



【次回の投稿のご案内】

◆応募締切=2021年10月31日
*対象は原則として2021年10月中に発刊された俳句結社誌・同人誌です。刊行日が締切直後の場合は、ご相談ください

◆配信予定=2021年11月5日

◆投稿先
以下のフォームからご投稿ください。
https://ws.formzu.net/dist/S21988499/


【「コンゲツノハイク」のバックナンバー】
>>2021年9月の「コンゲツノハイク」(2021年8月刊行分)【34結社参加】
  →→→ 2021年9月の「コンゲツノハイク」を読む
>>2021年8月の「コンゲツノハイク」(2021年7月刊行分)【28結社参加】
  →→→ 2021年8月の「コンゲツノハイク」を読む
>>2021年7月の「コンゲツノハイク」(2021年6月刊行分)【32結社参加】
  →→→ 2021年7月の「コンゲツノハイク」を読む
>>2021年6月の「コンゲツノハイク」(2021年5月刊行分)【33結社参加】
>>2021年5月の「コンゲツノハイク」(2021年4月刊行分)【34結社参加】
>>2021年4月の「コンゲツノハイク」(2021年3月刊行分)【27結社参加】
>>2021年3月の「コンゲツノハイク」(2021年2月刊行分)【29結社参加】
>>2021年2月の「コンゲツノハイク」(2021年1月刊行分)【21結社参加】
>>2021年1月の「コンゲツノハイク」(2020年12月刊行分)【14結社参加】



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