「寒雷」
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汗の女体に岩手山塊殺到す 加藤楸邨【季語=汗(夏)】
汗の女体に岩手山塊殺到す加藤楸邨目覚めると、首筋や脇にじっとり汗を掻いていた。不快。なんだか参っちゃう。じとじとべたべたと、服飾を通してみても不快な感覚はこの上ないし、なによりも体臭は、いや増す限り…
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街の縮図が薔薇挿すコップの面にあり 原子公平 【季語=薔薇(夏)】
街の縮図が薔薇挿すコップの面にあり原子公平「花の女王」と呼…
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赤んぼころがり昼寝の漁婦に試射砲音 古沢太穂【季語=昼寝(夏)】
赤んぼころがり昼寝の漁婦に試射砲音古沢太穂昨今の夏は記録的…
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卒業す片恋少女鮮烈に 加藤楸邨【季語=卒業(春)】
卒業す片恋少女鮮烈に加藤楸邨(『吹越』)春の別れ、それは卒…
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冷房とまる高階純愛の男女残し 金子兜太【季語=冷房(夏)】
冷房とまる高階純愛の男女残し金子兜太(『金子兜太句集』) …
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菜の花の斜面を潜水服のまま 今井聖【季語=菜の花(春)】
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こぼれたる波止の鮊子掃き捨てる 桑田青虎【季語=鮊子(春)】
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百代の過客しんがりに猫の子も 加藤楸邨【季語=猫の子(春)】
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霜夜子は泣く父母よりはるかなものを呼び 加藤楸邨【季語=霜夜(冬)】
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冬と云ふ口笛を吹くやうにフユ 川崎展宏【季語=冬(冬)】
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ほこりつぽい叙情とか灯を積む彼方の街 金子兜太
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未婚一生洗ひし足袋の合掌す 寺田京子【季語=足袋(冬)】