1. 十薬の蕊高くわが荒野なり 飯島晴子【季語=十薬(夏)】

    十薬の蕊高くわが荒野なり)飯島晴子)平成三年の作。晴子は七十歳。第六句集『儚々』に収められている。十薬はドクダミとも言い、おそろしげな名前だが、薬草。葉は心臓の形をしていて悪臭を持つ。花弁に…

  2. いちまいの水田になりて暮れのこり 長谷川素逝【季語=水田(夏)】

    いちまいの水田になりて暮れのこり)長谷川素逝) 句集『歴日…

  3. 立読みの少年夏は斜めに過ぎ 八田木枯【季語=夏(夏)】

    立読みの少年夏は斜めに過ぎ八田木枯))町から本屋が減って久…

  4. 而して蕃茄の酸味口にあり 嶋田青峰【季語=トマト(夏)】

    而して蕃茄の酸味口にあり嶋田青峰(『青峰集』大正14年)こ…

  5. 螢とび疑ひぶかき親の箸 飯島晴子【季語=蛍(夏)】

    螢とび疑ひぶかき親の箸)飯島晴子) 昭和45年の作。晴子は…

  6. 跳ぶ時の内股しろき蟇 能村登四郎【季語=蟇(夏)】

  7. 無方無時無距離砂漠の夜が明けて 津田清子(無季)

  8. 紙魚の跡たどりて紙魚に逢はんとす 後藤夜半【季語=紙魚(夏)】

  9. 船室の梅雨の鏡にうつし見る 日原方舟【季語=梅雨(夏)】

  10. 洗顔のあとに夜明やほととぎす 森賀まり【季語=ほととぎす(夏)】

  11. 天使魚の愛うらおもてそして裏 中原道夫【季語=天使魚(夏)】

  12. 冷やっこ試行錯誤のなかにあり 安西水丸【季語=冷やっこ(夏)】

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