「萬緑」

  1. 啜り泣く浅蜊のために灯を消せよ 磯貝碧蹄館【季語=浅利(春)】

    啜り泣く浅蜊のために灯を消せよ磯貝碧蹄館(『道化』)浅蜊は、春の季語である。桜貝が海辺を染める頃より採られ始める。母方の実家が茨城県の大洗近くであったため、ゴールデンウイークには潮干狩に出掛けた。ま…

  2. 十二月うしろの正面山の神 成田千空【季語=十二月(冬)】

    十二月うしろの正面山の神成田千空 草田男に愛妻俳句がごまん…

  3. 寒夕焼に焼き亡ぼさん癌の身は 成田千空【季語=寒夕焼(冬)】

    寒夕焼に焼き亡ぼさん癌の身は成田千空 第四句集『白光』によ…

  4. 雀来て紅梅はまだこどもの木 成田千空【季語=紅梅(春)】

    雀来て紅梅はまだこどもの木成田千空 平成10年(1998・…

  5. 白鳥の花の身又の日はありや 成田千空【季語=白鳥(冬)】

    白鳥の花の身又の日はありや成田千空 千空の萬緑賞受賞後、中…

  6. 主よ人は木の髄を切る寒い朝 成田千空【季語=寒い(冬)】

  7. 仰向けに冬川流れ無一文 成田千空【季語=冬川(冬)】

  8. 綿虫や母あるかぎり死は難し 成田千空【季語=綿虫(冬)】

  9. あたゝかき十一月もすみにけり 中村草田男【季語=十一月(冬)】

  10. 静臥ただ落葉降りつぐ音ばかり 成田千空【季語=落葉(冬)】

  11. めぐりあひやその虹七色七代まで 中村草田男【季語=虹(夏)】

  12. 折々己れにおどろく噴水時の中 中村草田男【季語=噴水(夏)】

おすすめ記事

  1. 虎の上に虎乗る春や筥いじり 永田耕衣【季語=春(春)】 
  2. 瀧見人子を先だてて来りけり 飯島晴子【季語=滝見(夏)】
  3. 窓眩し土を知らざるヒヤシンス 神野紗希【季語=ヒヤシンス(春)】 
  4. 茅舎忌の猛暑ひきずり草田男忌 竹中宏【季語=草田男忌(夏)】
  5. さよならと梅雨の車窓に指で書く 長谷川素逝【季語=梅雨(夏)】

Pickup記事

  1. 【読者参加型】コンゲツノハイクを読む【2023年7月分】
  2. 秋櫻子の足あと【第6回】谷岡健彦
  3. 【書評】山折哲雄『勿体なや祖師は紙衣の九十年』(中央公論新社、2017年)
  4. もの書けば余白の生まれ秋隣 藤井あかり【季語=秋隣(夏)】
  5. 金魚屋が路地を素通りしてゆきぬ 菖蒲あや【季語=金魚(夏)】
PAGE TOP