野遊のしばらく黙りゐる二人　涼野海音【季語＝野遊（春）】

• 2025.03.24

木枯らしの葉の四十八となりぎりぎりでいる　平田修【季語＝木枯らし（冬）】

• 2025.03.09

どん底の芒の日常寝るだけでいる　平田修【季語＝芒（秋）】

• 2025.03.02

木枯らしのこの葉のいちまいでいる　平田修【季語＝木枯らし（冬）】

• 2024.12.16

向日葵の闇近く居る水死人　冬野虹【季語＝向日葵（夏）】

• 2024.07.25

かなしみへけん命になる螢でいる　平田修【季語＝螢（夏）】

• 2024.07.21

蛇を知らぬ天才とゐて風の中　鈴木六林男【季語＝蛇（夏）】

• 2024.05.26

百合のある方と狐のゐる方と　小山玄紀

• 2024.03.28

人のかほ描かれてゐたる巣箱かな　藤原暢子【季語＝巣箱（春）】　

• 2024.02.21

みじろがず白いマスクの中にいる　梶大輔【季語＝マスク（冬）】

• 2023.12.21

気が変りやすくて蕪畠にゐる　飯島晴子【季語＝蕪（冬）】

• 2023.12.03

みどり児のゐて冬瀧の見える家　飯島晴子【季語＝冬瀧（冬）】

• 2023.11.19

気を強く春の円座に坐つてゐる　飯島晴子【季語＝春（春）】

• 2023.04.30

橇にゐる母のざらざらしてきたる 宮本佳世乃【季語＝橇（冬）】

• 2022.12.14

とつぷりと後ろ暮れゐし焚火かな　松本たかし【季語＝焚火（冬）】

• 2022.11.24

すばらしい乳房だ蚊が居る　尾崎放哉【季語＝蚊（夏）】

• 2022.07.14

田に人のゐるやすらぎに春の雲　宇佐美魚目【季語＝春の雲（春）】

• 2022.04.20

花の幹に押しつけて居る喧嘩かな　田村木國【季語＝花（春）】

• 2022.03.25

東京に居るとの噂冴え返る　佐藤漾人【季語＝冴え返る（春）】

• 2022.03.11

ひざにゐて猫涅槃図に間に合はず　有馬朗人【季語＝涅槃図（春）】

• 2022.02.16

片蔭の死角から攻め落としけり　兒玉鈴音【季語＝片蔭（夏）】

• 2022.02.15

復讐の馬乗りの僕嗤っていた　福田若之

• 2022.02.08

春を待つこころに鳥がゐて動く　八田木枯【季語＝春を待つ（冬）】

• 2022.02.01

共にゐてさみしき獣初しぐれ　中町とおと【季語＝初時雨（冬）】

• 2021.12.28

休みの日晝まで霜を見てゐたり　永田耕衣【季語＝霜（冬）】

• 2021.12.12

みかんいろのみかんらしくうずもれている　岡田幸生【季語＝蜜柑（冬）】

• 2021.11.04

日まはりは鬼の顔して並びゐる　星野麦人【季語＝向日葵（夏）】

• 2021.08.19

暑き夜の惡魔が頤をはづしゐる　佐藤鬼房【季語＝暑し（夏）】

• 2021.07.24

敷物のやうな犬ゐる海の家　岡田由季【季語＝海の家（夏）】

• 2020.07.22

草も木も人も吹かれてゐて涼し　日下野由季【季語＝涼し（夏）】

• 2020.07.15