体内にきみが血流る正坐に耐ふ　鈴木しづ子

• 2025.02.12

六畳葉っぱの死ねない唇の元気　平田修

• 2024.10.13

青空の黒い少年入ってゆく　平田修

• 2024.09.29

坂道をおりる呪術なんかないさ　下村槐太

• 2024.06.23

すきとおるそこは太鼓をたたいてとおる　阿部完市

• 2024.06.09

象の足しづかに上る重たさよ　島津亮

• 2024.04.14

海外のニュースの河馬が泣いていた　木田智美【無季】

• 2024.01.16

いつせいに柱の燃ゆる都かな　三橋敏雄

• 2023.12.01

雨聴いて一つ灯に寄る今宵かな　村上鬼城【季語＝無月（秋）？】

• 2023.09.20

すきとおるそこは太鼓をたたいてとおる　阿部完市

• 2023.08.10

遅れて着く花粉まみれの人喰沼　飯島晴子【無季】

• 2023.04.23

やつと大きい茶籠といつしよに眠らされ　飯島晴子【無季】

• 2023.04.09

くれなゐの花には季なし枕もと　石川淳【無季】

• 2023.03.09

秋海棠西瓜の色に咲にけり　松尾芭蕉【季語＝秋海棠（秋）】

• 2022.10.06

幾千代も散るは美し明日は三越　攝津幸彦

• 2022.09.29

方舟へ行く一本道の闇上野ちづこ（無季）

• 2022.07.07

無方無時無距離砂漠の夜が明けて　津田清子（無季）

• 2022.06.12

麦よ死は黄一色と思いこむ　宇多喜代子（無季）

• 2022.06.05

体内の水傾けてガラス切る　須藤徹【無季】

• 2022.05.05

スタールビー海溝を曳く琴騒の　八木三日女

• 2022.04.22

回廊をのむ回廊のアヴェ・マリア　豊口陽子

• 2022.04.05

野の落暉八方へ裂け　戰爭か　楠本憲吉

• 2022.02.17

嵐の埠頭蹴る油にもまみれ針なき時計　赤尾兜子

• 2021.10.20

同じ事を二本のレール思はざる　阿部青鞋

• 2021.01.28

酒醸す色とは白や米その他　中井余花朗

• 2021.01.08

しろい小さいお面いっぱい一茶のくに　阿部完市

• 2020.12.06

風へおんがくがことばがそして葬　夏木久

• 2020.11.01

ポメラニアンすごい不倫の話きく　長嶋有

• 2020.10.11

迷宮へ靴取りにゆくえれめのぴー　中嶋憲武

• 2020.10.04

子供は鳥　かはたれとたそかれにさざめく　上野ちづこ

• 2020.08.29