冬の季語

【冬の季語】咳

【冬の季語=三冬(11月〜1月)】咳

風邪」の一症状。しばしば「鼻水」や頭痛などを伴う。

「せき」と二音で読むこともあれば、「しわぶき」と四音で読むこともある。

また、「咳く」と動詞で使われることもあり、「せく」「しわぶく」と音数に従って読み分ける。

免疫が落ちやすい冬には、感染防止のためには「マスク」の着用も推奨される。


【咳(上五)】
咳の子のなぞなぞあそびきりもなや 中村汀女
咳をして言ひ途切れたるままのこと 細見綾子
火の咳を吐き水の咳溜めて反る 林田紀音夫
太き咳して幼年は少年に  相子智恵

【咳(中七)】
妻の留守ひとりの咳をしつくしぬ 日野草城
ジャズの中咳を落してわが過ぎぬ 石田波郷
トランシーバーまづ咳を伝えけり  石原ユキオ

【咳(下五)】
接吻もて映画は閉ぢぬ咳満ち満つ 石田波郷
そこここに虚子嫌ひゐて咳払ひ 鷹羽狩行

【ほかの季語と】
軽き咳して夏葱の刻を過ぐ 飯島晴子


  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • follow us in feedly

関連記事

  1. 【夏の季語】蟻地獄/あとずさり 擂鉢虫
  2. 【冬の季語】蓮根掘
  3. 【新年の季語】成人の日
  4. 【冬の季語】十一月
  5. 【春の季語】沈丁花
  6. 【冬の季語】冬来たる(冬来る)
  7. 【春の季語】木の根明く
  8. 【秋の季語】蓑虫/鬼の子 蓑虫鳴く

おすすめ記事

  1. 俳人・広渡敬雄とゆく全国・俳枕の旅【第48回】 箕面と後藤夜半
  2. 【冬の季語】雪降る
  3. 【読者参加型】コンゲツノハイクを読む【2023年5 月分】
  4. 【冬の季語】一月
  5. 神保町に銀漢亭があったころ【第14回】辻村麻乃
  6. 【連載】加島正浩「震災俳句を読み直す」第3回
  7. 八月は常なる月ぞ耐へしのべ 八田木枯【季語=八月(秋)】
  8. コスモスや泣きたくなつたので笑ふ 吉田林檎【季語=コスモス(秋)】
  9. 【書評】伊藤伊那男 第三句集『然々と』(北辰社、2018年)
  10. 寝化粧の鏡にポインセチア燃ゆ 小路智壽子【季語=ポインセチア(冬)】

Pickup記事

  1. 枇杷の花ふつうの未来だといいな 越智友亮【季語=枇杷の花(冬)】
  2. めぐりあひやその虹七色七代まで 中村草田男【季語=虹(夏)】
  3. 【春の季語】蝶
  4. 神保町に銀漢亭があったころ【第105回】藤森荘吉
  5. 北寄貝桶ゆすぶつて見せにけり 平川靖子【季語=北寄貝(冬)】 
  6. 影ひとつくださいといふ雪女 恩田侑布子【季語=雪女(冬)】
  7. 秋めくやあゝした雲の出かゝれば      池内たけし【季語=秋めく(秋)】
  8. 妻の遺品ならざるはなし春星も 右城暮石【季語=春星(春)】
  9. 【冬の季語】聖夜
  10. 泥棒の恋や月より吊る洋燈 大屋達治【季語=月(秋)】
PAGE TOP