ハイクノミカタ橋本直
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わが畑もおそろかならず麦は穂に 篠田悌二郎【季語=麦の穂(夏)】
わが畑もおそろかならず麦は穂に篠田悌二郎(秋桜子編「聖戦俳句集」1933年)今、作者名その他の情報を入れずにこの句を読んだとしたら、どう鑑賞されるであろう。趣味の自家菜園で麦を作るというのはあまり聞…
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片影にこぼれし塩の点々たり 大野林火【季語=片影】
片影にこぼれし塩の点々たり大野林火(『勤労俳句の鑑賞』1946年)…
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もろ手入れ西瓜提灯ともしけり 大橋櫻坡子【季語=西瓜提灯】
もろ手入れ西瓜提灯ともしけり大橋櫻坡子(『引鶴』1952年)…
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美しき緑走れり夏料理 星野立子【季語=夏料理(夏)】
美しき緑走れり夏料理星野立子(現代俳句協会編『昭和俳句作品年表』2014年…
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遊女屋のあな高座敷星まつり 中村汀女【季語=星まつり(秋)】
遊女屋のあな高座敷星まつり中村汀女(山本建吉編『基本季語五〇〇選』1986…
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のこるたなごころ白桃一つ置く 小川双々子【季語=白桃(秋)】
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海女ひとり潜づく山浦雲の峰 井本農一【季語=雲の峰(夏)】
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太宰忌や誰が喀啖の青みどろ 堀井春一郎【季語=太宰忌(夏)】
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草田男やよもだ志向もところてん 村上護【季語=ところてん(夏)】
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水底を涼しき風のわたるなり 会津八一【季語=涼し(夏)】
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棕梠の葉に高き雨垂れ青峰忌 秋元不死男【季語=青峰忌(夏)】
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谺して山ほととぎすほしいまゝ 杉田久女【季語=ほととぎす(夏)】