ハイクノミカタ
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野の落暉八方へ裂け 戰爭か 楠本憲吉
野の落暉八方へ裂け 戰爭か楠本憲吉(『隱花植物』)空から降る月の光の様を対象にあわせてひらひらと詠んだり棒の如しと喩えたのは川端茅舎で、針が降ると詠んだのは富澤赤黄男であった。彼らには共通して、月光…
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ひざにゐて猫涅槃図に間に合はず 有馬朗人【季語=涅槃図(春)】
ひざにゐて猫涅槃図に間に合はず)有馬朗人) 神保町には縁が…
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片蔭の死角から攻め落としけり 兒玉鈴音【季語=片蔭(夏)】
片蔭の死角から攻め落としけり)兒玉鈴音『第24回俳句甲子園公式作品集』(2…
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毒舌は健在バレンタインデー 古賀まり子【季語=バレンタインデー(春)】
毒舌は健在バレンタインデー古賀まり子(『源流』) 会えばお…
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やがてわが真中を通る雪解川 正木ゆう子【季語=雪解川(春)】
やがてわが真中を通る雪解川正木ゆう子句の細部に目が留まる前…
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猿負けて蟹勝つ話亀鳴きぬ 雪我狂流【季語=亀鳴く(春)】
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春雪の一日が長し夜に逢ふ 山田弘子【季語=春雪(春)】
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寒天煮るとろとろ細火鼠の眼 橋本多佳子【季語=寒天(冬)】
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ミシン台並びやすめり針供養 石田波郷【季語=針供養(春)】
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復讐の馬乗りの僕嗤っていた 福田若之
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春の雪指の炎ゆるを誰に告げむ 河野多希女【季語=春の雪(春)】
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年玉受く何も握れぬ手でありしが 髙柳克弘【季語=年玉(新年)】