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道逸れてゆきしは恋の狐火か 大野崇文【季語=狐火(冬)】
2024.12.16
冬浪のつくりし岩の貌を踏む 寺山修司【季語=冬浪(冬)】
2024.12.11
野分会十とせ経しこと年尾の忌 稲畑汀子【季語=年尾の忌(秋)】
2024.10.25
おとろへし親におどろく野分かな 原裕【季語=野分(秋)】
2024.10.03
戦艦の生れしドック小鳥来る 稲畑廣太郎【季語=小鳥来る(秋)】
2024.09.25
葛切を食べて賢くなりしかな 今井杏太郎【季語=葛切(夏)】
2024.07.20
萎れしを提げて朝顔市帰り 鷹羽狩行【季語=朝顔(夏)】
2024.07.12
ぬばたまの夜やひと触れし髪洗ふ 坂本宮尾【季語=髪洗ふ(夏)】
2024.07.08
先生が瓜盗人でおはせしか 高浜虚子【季語=瓜(夏)】
2024.07.02
あひふれしさみだれ傘の重かりし 中村汀女【季語=五月雨(夏)】
2024.06.24
大空へ解き放たれし燕かな 前北かおる【季語=燕(春)】
2024.04.20
蜷のみち淡くなりてより来し我ぞ 飯島晴子【季語=蜷(春)】
2024.03.10
風邪を引くいのちありしと思ふかな 後藤夜半【季語=風邪(冬)】
2023.12.23
鍋物に火のまはり来し時雨かな 鈴木真砂女【季語=時雨(冬)】
2023.11.17
べつたら市糀のつきし釣貰ふ 小林勇二【季語=べつたら市(秋)】
2023.10.20
さわやかにおのが濁りをぬけし鯉 皆吉爽雨【季語=爽やか(秋)】
2023.09.02
きつかけはハンカチ借りしだけのこと 須佐薫子【季語=ハンカチ(夏)】
2023.07.24
いつまでも死なぬ金魚と思ひしが 西村麒麟【季語=金魚(夏)】
2023.05.23
春の雁うすうす果てし旅の恋 小林康治【季語=春の雁(春)】
2023.04.24
鳴きし亀誰も聞いてはをらざりし 後藤比奈夫【季語=亀鳴く(春)】
2023.04.15
恋さめた猫よ物書くまで墨すり溜めし 河東碧梧桐【季語=恋猫(春)】
2023.03.16
大根の花まで飛んでありし下駄 波多野爽波【季語=大根の花(春)】
2023.03.15
血を分けし者の寝息と梟と 遠藤由樹子【季語=梟(冬)】
2023.01.25
福笹につけてもらひし何やかや 高濱年尾【季語=福笹(冬)】
2023.01.13
なぐさめてくるゝあたゝかなりし冬 稲畑汀子【季語=冬あたたか(冬)】
2022.12.30
つはの葉につもりし雪の裂けてあり 加賀谷凡秋【季語=雪(冬)】
2022.11.26
とつぷりと後ろ暮れゐし焚火かな 松本たかし【季語=焚火(冬)】
2022.11.24
境内のぬかるみ神の発ちしあと 八染藍子【季語=神の旅(冬)】
2022.11.15
鳥屋の窓四方に展けし花すゝき 丹治蕪人【季語=花すゝき(秋)】
2022.10.21
手に負へぬ萩の乱れとなりしかな 安住敦【季語=萩(秋)】
2022.10.03
茄子もぐ手また夕闇に現れし 吉岡禅寺洞【季語=茄子(秋)】
2022.09.08
季すぎし西瓜を音もなく食へり 能村登四郎【季語=西瓜(秋)】
2022.09.04
膝枕ちと汗ばみし残暑かな 桂米朝【季語=残暑(秋)】
2022.08.27
もち古りし夫婦の箸や冷奴 久保田万太郎【季語=冷奴(夏)】
2022.07.02
さくらんぼ洗ひにゆきし灯がともり 千原草之【季語=さくらんぼ(夏)】
2022.06.03
甘き花呑みて緋鯉となりしかな 坊城俊樹【季語=緋鯉(夏)】
2022.05.11
田螺容れるほどに洗面器が古りし 加倉井秋を【季語=田螺(春)】
2022.05.03
詠みし句のそれぞれ蝶と化しにけり 久保田万太郎【季語=蝶(春)】
2022.04.30
永き日や相触れし手は触れしまま 日野草城【季語=永き日(春)】
2022.02.28
未婚一生洗ひし足袋の合掌す 寺田京子【季語=足袋(冬)】
2021.11.24
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