ゆく
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鳥の巣に鳥が入つてゆくところ 波多野爽波【季語=鳥の巣(春)】
鳥の巣に鳥が入つてゆくところ)波多野爽波『鋪道の花』何度読んでも気持ちのよい句だ。「鳥」というざっくりした把握と「入」るという無機質な言い方は、あたかも観察者がいないかのような、句だけがそこに浮かん…
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枯野ゆく最も遠き灯に魅かれ 鷹羽狩行【季語=枯野(冬)】
枯野ゆく最も遠き灯に魅かれ)鷹羽狩行保育所の頃に母の故郷福…
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サフランもつて迅い太子についてゆく 飯島晴子【季語=サフランの花(秋)】
サフランもつて迅い太子についてゆく)飯島晴子 難解をもって…
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駅蕎麦の旨くなりゆく秋の風 大牧広【季語=秋の風(秋)】
駅蕎麦の旨くなりゆく秋の風大牧広(『大牧広全句集』ふらんす堂)…
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さくらんぼ洗ひにゆきし灯がともり 千原草之【季語=さくらんぼ(夏)】
さくらんぼ洗ひにゆきし灯がともり千原草之(ちはら・そうし)…
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詩に瘦せて二月渚をゆくはわたし 三橋鷹女【季語=二月(春)】
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早春や松のぼりゆくよその猫 藤田春梢女【季語=早春(春)】
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しんしんと寒さがたのし歩みゆく 星野立子【季語=寒さ(冬)】
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突として西洋にゆく暖炉かな 片岡奈王【季語=暖炉(冬)】
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前をゆく私が野分へとむかふ 鴇田智哉【季語=野分(秋)】
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ひと魂でゆく気散じや夏の原 葛飾北斎【季語=夏の原(夏)】
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青嵐神木もまた育ちゆく 遠藤由樹子【季語=青嵐(夏)】