ハイクノミカタ

  1. みちのくに戀ゆゑ細る瀧もがな 筑紫磐井【季語=滝(夏)】

    みちのくに戀ゆゑ細る瀧もがな筑紫磐井(『野干』) 〈みちのく〉と言えば「みちのくひとり旅」という演歌を思い出してしまう。叶わぬ恋を振りきって男ひとりの傷心旅行。「月の松島 しぐれの白河」、失恋の果て…

  2. 八月の灼ける巌を見上ぐれば絶倫といふ明るき寂寥 前登志夫【季語=夏山(夏)】

    八月の灼ける巌を見上ぐれば絶倫といふ明るき寂寥前登志夫素で…

  3. 卓に組む十指もの言ふ夜の秋 岡本眸【季語=夜の秋(夏)】

    卓に組む十指もの言ふ夜の秋)岡本眸 刑事コロンボが犯人にボ…

  4. 七夕のあしたの町にちる色帋   麻田椎花【季語=七夕(秋)】

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  5. もの書けば余白の生まれ秋隣 藤井あかり【季語=秋隣(夏)】

    もの書けば余白の生まれ秋隣藤井あかり(『封緘』)日本人独特…

  6. 告げざる愛地にこぼしつつ泉汲む 恩田侑布子【季語=泳ぐ(夏)】

  7. 夏山に勅封の大扉あり 宇佐美魚目【季語=夏山(夏)】

  8. なく声の大いなるかな汗疹の児 高浜虚子【季語=汗疹(夏)】

  9. 大阪の屋根に入る日や金魚玉   大橋櫻坡子【季語=金魚玉(夏)】

  10. 利根川のふるきみなとの蓮かな 水原秋櫻子【季語=蓮(夏)】

  11. 愛されずして沖遠く泳ぐなり 藤田湘子【季語=泳ぐ(夏)】

  12. からたちの花のほそみち金魚売 後藤夜半【季語=金魚売(夏)】

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