株
レベル ★★★★☆
使用頻度 ★☆☆☆☆
<ジャンル> 自然、植物
<類語>杭、杙、切株
【例句】
株朽ち人失せここら螢草 西村和子
「株を守る」という慣用句があり、これは「かぶをまもる」ではなく「くい(ぜ)をまもる」と読ませます。「株」とは、木を切り倒したあとの根株のこと。「株を守る」は、昔の中国で切り株に当たって死んだウサギを得た農夫が、二匹目を狙って農業を廃業してしまったという故事にちなみ、「ムダなことを大事に守り続ける」ことを表すもの。
しかしこの慣用句以外で、「株」を「くいぜ」と読ませる例はめずらしく、したがって、俳句でもそれほど見かけるわけではありません。「杭」を「くい」と読ませるのは、「くいぜ」の「ぜ」が省略されたものと考えるのが自然なようで、日常的な言い回しである「切株」よりも、歴史性を感じさせる言葉です。
【「難読俳句辞典」バックナンバー】
>>【第10回】「信天翁」 >>【第9回】「蹼」 >>【第8回】「眴」 >>【第7回】「半月」 >>【第6回】「後妻・前妻」 >>【第5回】「蹇」 >>【第4回】「毳」 >>【第3回】「象」 >>【第2回】「尿」 >>【第1回】「直会」