【結社推薦句】コンゲツノハイク【2022年11月分】


セクト・ポクリットでは2021年1月より、「コンゲツノハイク」をはじめました。前月に刊行された俳句結社誌・同人誌の最新号から「(最大)7句」を推薦いただき、掲出するコーナーです。今月は、34結社にご参加いただきました。ご協力ありがとうございます。

このページの句のなかから、推しの一句を選んでご鑑賞いただく読者参加型コーナー「コンゲツノハイクを読む」、11月20日締切です。どなたでもご参加いただけますので、詳しくはリンク先をご覧ください。来月分のコンゲツノハイク(11月30日締切)については、こちらのフォームからご投稿ください


コンゲツノハイク 2022年11月
(2022年10月刊行分)

今月の参加結社(34)=「秋」「秋草」「いには」「伊吹嶺」「閏」「炎環」「円虹」「火星」「かつらぎ」「銀化」「銀漢」「雲の峰」「櫟」「澤」「秋麗」「青山」「蒼海」「鷹」「たかんな」「滝」「橘」「田」「天穹」「都市」「南風」「鳰の子」「濃美」「ひろそ火」「ふよう」「ホトトギス」「街」「松の花」「森の座」「雪華」


「秋」(主宰=佐怒賀正美)【1961年創刊・東京都練馬区】
<2022年10月号(通巻608号)>
卑弥呼佇つ楼観を翔ぶ青玉虫 阿部まりあ
カタストロフ絶間なき世に浮いてこい 安達昌代
バオバブに年輪はなしソーダ水 渡部 洋
地を統ぶる神に愛され青蜥蜴 百田登起枝
株価ボードのせはしき数字日雷 関口ひとみ
パラダイムシフトまひまひ夢見がち 富田圭香
月下美人愛づる間もなく夜勤果つ 工藤沙奈子


「秋草」(主宰=山口昭男)【2010年創刊・兵庫県神戸市】
<2022年11月号(通巻155号)>
皮むけば色おとなしき葡萄かな 山口昭男
葛の花いま堂々と鳥の糞    田邊大学
カーテンのみだらにかかる大西日 小濱准子
黄緑の蟷螂は好き茶は嫌ひ   小泉和貴子
指ふたつ動く暗算秋つばめ   村上瑠璃甫
生きてゐるかたちに蟬を裏返す 栗原和子
落としたる音の大きく秋扇   鬼頭孝幸


「いには」(主宰=村上喜代子)【2005年創刊・千葉県八千代市】
<2022年11月号(通巻170号)>
鐘一打一打ことだま原爆忌 村上喜代子
夜濯ぎのあれは下りの終電車 田中麻衣
頂きし西瓜のゆがみ地の歪み 小見恭子
大空へ投げ出す素足パラセール 堀合優子
目配せのその木そこの木つくつくし 後藤善雄


「伊吹嶺」(主宰=河原地英武)【1998年1月創刊・愛知県名古屋市】
<2022年10月号(通巻292号)>
風追つて雷雨走れり京の路地  河原地英武
目瞑れば鐘鳴り止まず長崎忌  栗田やすし
明易の足のほてりを持て余す  下里美恵子
虹色の光散らしてバタフライ  加藤剛司
冗談に少し毒あり冷し酒    山田万里子
父何も語らず逝けり沖縄忌    國吉綾子
切れかけの尾つぽ引き摺る蜥蜴かな 小川剛史


「閏」(代表=守屋明俊)【2021年2月創刊・東京都国分寺市】
<2022年10・11月号(通巻11号)>
送り盆蝶とぶ蟬とぶ蜻蛉とぶ   守屋明俊
花びらのほどけるやうに昼寝覚  竹森美喜
メロン食ぶ遠き戦さに目をつぶり 橋本恭子 
恥部臀部洗ふ他人の手秋灯下   岩根 甲
くさまくら銀河の吐息いよよ濃く 松本余一
ヘップバーン似の叔母鮎を頭から 北 好夫
白桔梗退路はなしと思ふべし   春田千歳


「炎環」(主宰=石寒太)【1989年創刊・埼玉県志木市】
<2022年10月号(通巻508号)>
飯笊の洗ひ晒しの厨かな   石寒太
自販機の並ぶホームや原爆忌 丸山きゅん
岩牡蠣や潮の香満つる親不知 黒崎千賀女
てんと虫付きし背中に蹤きゆけり 前田拓
百歳の舌に優しき氷菓かな  西脇あす香
青葡萄ひと粒ささやかな反論  内野義悠
どうですか胡瓜の馬の乗り心地 山本うらら


「円虹」(主宰=山田佳乃)【1995年創刊・兵庫県神戸市】
<令和四年11月1日 第335号>
塵一つ残さず消えし蟻の道   岩瀬良子
引き潮の静寂八月十五日    椋誠一朗
放心の大樹となつて蟬しぐれ  小山さち子
ふるさとの水も一菜盂蘭盆会  坂本祥子
秋暑し缶に張り付くドロップス 岩永靜代
虹の色マカロンの色パリの色  奥本恭子
人思ふその一瞬に流れ星    岡田浩子


「火星」(主宰=山尾玉藻)【1936年創刊・大阪府大阪市】
<2022年10月号(通巻993号)>
流星のひとつは砕け星の砂  山尾玉藻
くるぶしも夏花の籠も濡れてゐし 蘭定かず子
黒揚羽行く先々の水明り  山田美恵子
涼み台風に重さの出できたり 坂口夫佐子
癇癪玉投げ手花火に加はらず 湯谷良
腰より入りし潮騒のハンモック 大東由美子
向日葵と男の子ふたりが越して来し 小林成子


「かつらぎ」(主宰=森田純一郎)【1929年創刊・兵庫県宝塚市】
<2022年9月号(通巻1113号)>
我に似て試行錯誤か山の蟻 森田純一郎
雪囲ふままの廃屋平家村 平田冬か
今滝と対峙あひだに何も無し 村手圭子
明易や海彼の戦禍夢に出て 黒岩恵津子
丁度良き傾き探り栄螺焼く 小山まみ
マンモスの化石ひんやり梅雨寒し 植木啓次
句会また句会や朴の忌を修す 森田教子


「銀化」(主宰=中原道夫)【1998年創刊・東京都港区】
<2022年11月号(通巻290号)>
垂れゐる間糸瓜最重然う見ゆる 亀丸公俊
なほ残るのみどの小骨終戦日 武田菜美
目玉から皇居へ入る鬼やんま 森川たか子
糠床を出てさはやかな風の吹く 矢野孝久
若竹はによきによきによきと二進法 川本利範
宿題の終はらぬうちは夏休 篁李月
空のほか皇帝ダリア寄せつけず 大瀬益太郎



銀漢(ぎんかん)」(主宰=伊藤伊那男(いなお)【2011年創刊・東京都千代田区】
<2022年11月号(通巻141号)>
遺品とて紙魚の走れる書の届く 伊藤伊那男
中二日置いて鐘鳴る原爆忌    飛鳥蘭
境内に残るゆうべの夜店の香   鈴木てる緒
帰省子に思はぬ小ささ金次郎   笠原祐子
風よりも音を生みけり扇風機   白井飛露
挨拶は潜りし後に茅の輪かな   内藤明
敗戦の日の喉を焼くコーラかな  谷岡健彦


「雲の峰」(主宰=朝妻力)【1989年創刊・2001年結社化・大阪府茨木市】
<2022年10月号(通巻376号)>
文月の極め添へある一書かな  吉村征子
一と柱の位牌増えたる盂蘭盆会 船木小夜美
譲られてハザード返す秋日和  上西美枝子
魄霊をつづみが誘ふ薪能    島津康弘
ほのぼのと樺の皮焚く盂蘭盆会 乾 厚子
炎天や多言語掲示せる現場  中村克久
熟畑の土黒々と秋起し    杉本綾子


「櫟」(主宰=江崎紀和子)【1993年創刊・愛媛県東温市】
<2022年10月号(通巻349号)>
黒山羊の角まで黒き大暑かな 江崎紀和子
海見ゆる窓辺満席しらす丼  石川静恵
パンに耳石に目のあり半夏生 赤穂和子
義経は知らじ茂りの一の谷  戸田一雄
打水や外つ国の客まだかいな 飯田祐子
欠かすまじテレビ体操草むしり 黒木慶英
向日葵の種のひとつぶ銀河系 杉野祐子


「澤」(主宰=小澤實)【2000年創刊・東京都杉並区】
<2022年10月号(通巻271号)>
弁当に冷酒こなから酌み尽くす 小澤實
「んぢや」「おう」と代はる水番午前二時 原島千代子
土蜘蛛の裔なる我や草を引く  中山雅弘
体操着袋蹴つて帰る子夏近し  大堀柔
椅子に寝るサンダルの子や夜間外来 平嶋さやか
静けさぞ夏の素粒子満つる庭  花岡安佐枝
部屋番号のみの表札西日なか  町田無鹿


「秋麗」(主宰=藤田直子)【2009年創刊・神奈川県川崎市】
<2022年10月号(通巻145号)>
百年ののれん守られ新豆腐   藤田直子
七夕や書かずに吊るす恋のこと 三島三閒
黒日傘世を拒むごと深く差す  伊藤美紀子
手拍子のあらば踊らむ葉鶏頭  田沢健次郎
駅舎なき駅を照らすや星月夜  仲悦子
花火見や叔父の漁船が舵を切る 酒井胡蝶
そのときは泣かず精霊舟に泣く 平野豊雄


青山せいざん」(主宰=しなだしん)【1982年創刊・神奈川県横浜市】
<2022年10月号(通巻479号)>
僕にビール私にジュースご自由に 山崎ひさを
湖はまつくら温め酒酌めば    しなだしん
ゆりの木は雲にとどきて芽吹きけり 井越芳子
絵硝子の裏の明るき梅雨晴間   嶋 玲子
新幹線真すぐに青田分ちけり   畠野旬子
眼帯とれ総身に受く春日かな   佐藤敏枝
涼しさを掃き寄せてゐる朝の庭  飯田みよ子


蒼海そうかい」(主宰=堀本裕樹)【2018年創刊・東京都新宿区】
<17号>
啓蟄や鸚緑色のクーペ来る   澁谷洋子
春筍の獣のやうな抱きごこち  犬星星人
法要のこゑどんたくに混じりをり 河添美羽
山吹や手のひらで飲む御神水 つしまいくこ
はるかぜや窓拭く人に命綱   加留かるか
母にきく父のやさしさ斑雪山   矢崎二酔
春更くや指を折りつつ買ふ土産 杉本四十九士


「鷹俳句会」(主宰=小川軽舟)【1961年創刊・東京都千代田区】
<2022年11月号>
初秋の小間の栗茶の畳縁    小川軽舟
岐阜提灯兄の話を上の空   細谷ふみを
山小屋の未明の活気嗽ぐ   黒澤あき緒
風鈴のちんとも鳴らぬ宵居かな 今野福子
向日葵とぞつとするほど青い空 三代寿美代
サイダーのしづかな気泡葉風立つ 辻内京子 
蟬時雨写経の墨のねばりけり  藤澤憼子


「たかんな」(主宰=吉田千嘉子)【1993年創刊・青森県八戸市】
<2022年10月号(通巻358号)>
爽やかに記す延命措置無用  吉田千嘉子
ナイターの熾火のごとき酒場かな 鈴木興治
心太賞味期限の無き青春    日下里四
妻にはなく夫と子にある夏休み 黒田長子
ひとつ庭を遊び疲れて夏の蝶  西浄さえ
眠りたる市中濡らせし夏の月  髙村龍彦
ダンディと言はれ麻服離さざり 春日 祐


「滝」(主宰=成田一子)【1992年創刊・宮城県仙台市】
<2022年10月号(通巻369号)>
秋灯にふせて場末のつけまつげ 成田一子
深海に失ひし眼や露の玉   石母田星人
スリップの母泳ぐなりあの島に 芳賀翅子
ミュシャの女並ぶ壁面黴にほふ 谷口加代
湯灌後の首の一滴夏燕     竹本典子
のうぜんの花や唯一の被爆国 中井由美子
薔薇園を執事のやうに歩きけり 佐々木博子()



たちばな」(主宰=佐怒賀直美)【1978年創刊・埼玉県久喜市】
<2022年10月号(通巻538号)>
金魚売り立つと淋しき子となりぬ 山口風樹
尉面を掲ぐる御師の夏座敷   金子玲
畳皺てのひらで伸す夜の秋   斯波広海
天辺に湯の神磴の風灼くる   水島昌恵
下校の子夏草棒で叩き行く   鈴木和子
ひらくとき風の色あり烏瓜   早瀬令子
向日葵にぶつかつて入る夕日かな 小山八寿子


(でん)」(主宰=水田光雄)【2003年創刊・千葉県市川市】
<2022年11月号(通巻236号)>
七人の小人のひとり木下闇   清水余人
山繭に断りを入れ家に入る  笠原小百合
立秋やかるく走らすシトロエン  草子洗
海草の森に水母の灯をともす  間 恵子
万緑の遠心力のなかにをり   伊東慶子
女梅雨で終り戻り梅雨は男   吉原妙子
ビルの谷底プールの夜がありにけり 橘 花優


天穹(てんきゅう)」(主宰=屋内修一)【1998年創刊・東京都渋谷区】
<2022年11月号(通巻297号)>
もたれあふことの嫌ひな鶏頭花 野間しげる
開け放ち故郷の板の間に昼寝  山﨑華園
銀の匙磨けば映る夜の秋   田中国太郎
銀漢や阿蘇は太古の息を吐く 久保田雅久
唇に触るる金継ぎ涼新た    曽我晶子
コロッケの揚がる匂ひや秋夕焼 上村百香
直帰して今日の極暑を脱ぎ捨つる 大平政弘


「都市」(主宰=中西夕紀)【2008年創刊・東京都町田市】
<2022年10月号(通巻89号)>
峰雲や味噌欠かさざる漁師めし   中西夕紀
五月晴母の杖つき姉来たる     砂金明
合歓咲くやふたいろに鳥鳴き分けて 北杜青
竹皮を脱ぐやすつきり美少年    酒匂了太 
紫陽花の風がつつむよ車椅子    髙橋亘
水揚の鰹の腹に朝日かな      坂本遊美
冒険は足の裏より水遊び      吉川わる


南風(なんぷう)」(主宰=村上鞆彦(ともひこ)【1933年創刊・東京都葛飾区】
<2022年11月号(通巻948号)>
水茄子のひとりに余る紺を裂く 日野久子
日雷恐竜の骨高く吊り     橘永子
いさぎよく古びし町の残暑かな 渡部潤治
猪の腸入れし袋が蘆の陰    若林哲哉
ひとりといふ鳥秋桜の丘に飛ぶ 野村茶鳥
鶏頭やきのふの気炎けふの鬱  湯浅松子
初霜や窯出し近き登り窯    土井常寛


「鳰の子」(主宰=柴田多鶴子)【2011年創刊・大阪府高槻市】
<2022年10月・11月号(通巻56号)>
横顔の子規にも似たり思草   柴田多鶴子
山蟻の戦士のごとき顎かな    政元京治
あかあかとコーラ自販機原爆忌 長野順子
梅雨寒や床屋のタオル顔に載る 廣瀬正樹
氷菓食ぶどの席からも海見えて  山口登
毛虫にも都合のありてぶら下がる 岩出くに男
降り出して雨の早さや余り苗   師岡洋子



「濃美」(主宰=渡辺純枝)【2009年創刊・岐阜県岐阜市】
<2022年11月号(通巻第164号)>
大いなる虫の寺その厨子の闇  渡辺純枝
片陰の人を拾つてバスが行く  島戸勢津子
川遊びまだまだたりぬ晩夏光  古田八重子
この辺が潮時かしら夏つばめ  金石法子
サーカスの一座は発ちて月見草 中島美恵子
初秋や杣家に薪の堆し     臼井秀子
夕顔は金子みすゞの好きな花  岩永和音


「ひろそ火」(主宰=木暮陶句郎)【2011年創刊・群馬県渋川市】
<2022年10月号(通巻141号)>
まづ声が近づいてくる芒原 木暮陶句郎
片陰を拾つて急ぐ昼休み   小暮 肇
行雲の影一瞬の涼しさよ   稲葉京閑
手応へのなき手応へや西瓜割 木村 佑
手際よく店主の掬ふ新豆腐  堤かがり
蜩の呼びあふやうになく夕べ 高橋ちとせ
日盛や壁に貼り付く子等の影 小泉 子月


「ふよう」(主宰=千々和恵美子)【2005年創刊・福岡県遠賀郡】
<2022年10月号(通巻92号)>
力石いま月光に浮き上る   千々和恵美子
すくと立つ草の青さや水の秋  野村さち
はや届くやや甘口の今年酒   垣内かをる
十三夜凭るる柱なかりけり   森 和子
鶏卵のぬくみ掌にあり今朝の秋 鍜治惠津子
空つぽの犬小屋に猫秋黴雨   藤井さわこ
秋風さらり鳶の輪のゆつたりと  門坂悦代


「ホトトギス」(主宰=稲畑廣太郎)【1897年創刊・東京都千代田区】
<2022年11月号(通巻1511号)>
夏館遺影は永久に微笑みて   稲畑廣太郎
地に還るため息ひとつ沙羅落花  涌羅由美
あめんぼの踏ん張つてゐる水の星 伊東法子
焦がされし体巡りてソーダ水   今橋周子
溶け合つて虹一色となりにけり 笹尾清一路
水無月へ穀倉地帯沈みゆく    松村史基
珈琲の香り引き立つキャンプかな 金子奈緒美


「街」(主宰=今井聖)【1996年創刊・神奈川県横浜市】
<2022年10月号>
わしと言ふ九月入社の髭男      今井聖
皿割つて少し涼しくなりにけり 小久保佳世子
浜昼顔兄の遺品に母子手帳    西澤みず季
尻ポケットに差す蠅叩飼育員    藤尾ゆげ
たましひの落ちて線香花火かな   松野苑子
干し柿は系図のかたち縦結び    森島裕雄
父上と呼ぶ映画観て夜の秋    森山いほこ


「松の花」(主宰=松尾隆信たかのぶ【1998年創刊・神奈川県平塚市】
<2022年10月号(通巻298号)>
雨粒のやう梅雨の夜の点滴は  松尾隆信
夏の星揃ふ緞帳上がるかに   佐藤公子
干し物の影のうごめく大暑かな 中丸しげこ
初蝉の朗ら朗らと試し鳴き   櫻井波穂
観音の胎に蚊遣りと千羽鶴   廣上正市
くろがねの風鈴ちりり父想ふ  松波美惠
夕顔や蕾のドリルめく力    吉田裕子


「森の座」(代表=横澤放川)【2017年創刊・東京都文京区】
<2022年10月号>
花桃は見つめてやれば何かいふ 横澤放川
井戶端も道も反り気味酷暑中  和田西方
うつろ舟玉虫は死の耀きに   斉藤寛子
湖芯より遍照金剛夏桔梗    東谷信子
ストローに蛇腹の曲がりソーダ水 谷就応
父権てふ空箱を引く兜虫   藤田智恵子
辞書手帳閉ぢて重ねて昼寝かな 乙津秀敏


雪華(ゆきはな)」(主宰=橋本喜夫(よしお)【1978年創刊・北海道旭川市】
<2022年11月号>
駅弁の経木の湿り蕎麦の花 八島律子
色なき風に見し夢を溶かしけり 藤原ハルミ
月明や差別用語となる盲 柊月子
秋の蝶離岸接岸くり返し 村一草
月光や妻の形見の靑磁壺 高橋亜紀彦
問ひ掛ける晴眼者とは秋の空 島貫麻衣子
昼の蛾の枯れ葉のかたちしてる 仮死 坂野榮子



【次回の投稿のご案内】

◆応募締切=2022年11月30日
*対象は原則として2022年11月中に発刊された俳句結社誌・同人誌です。刊行日が締切直後の場合は、ご相談ください

◆配信予定=2022年12月5日

◆投稿先
以下のフォームからご投稿ください。
https://ws.formzu.net/dist/S21988499/


【「コンゲツノハイク」のバックナンバー】

>>2022年10月の「コンゲツノハイク」(2022年9月刊行分)【32結社参加】
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>>2022年9月の「コンゲツノハイク」(2022年8月刊行分)【30結社参加】
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>>2022年8月の「コンゲツノハイク」(2022年7月刊行分)【31結社参加】
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>>2022年7月の「コンゲツノハイク」(2022年6月刊行分)【32結社参加】
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>>2022年6月の「コンゲツノハイク」(2022年5月刊行分)【31結社参加】
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>>2022年5月の「コンゲツノハイク」(2022年4月刊行分)【31結社参加】
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>>2022年4月の「コンゲツノハイク」(2022年3月刊行分)【33結社参加】
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>>2022年3月の「コンゲツノハイク」(2022年2月刊行分)【30結社参加】
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>>2022年2月の「コンゲツノハイク」(2022年1月刊行分)【33結社参加】
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>>2022年1月の「コンゲツノハイク」(2021年12月刊行分)【36結社参加】
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>>2021年12月の「コンゲツノハイク」(2021年11月刊行分)【33結社参加】
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>>2021年11月の「コンゲツノハイク」(2021年10月刊行分)【36結社参加】
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>>2021年10月の「コンゲツノハイク」(2021年9月刊行分)【34結社参加】
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>>2021年9月の「コンゲツノハイク」(2021年8月刊行分)【34結社参加】
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>>2021年8月の「コンゲツノハイク」(2021年7月刊行分)【28結社参加】
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