教師二人牛鍋欲りて熄むことあり　中村草田男【季語＝牛鍋（冬）】

• 2024.12.18

かくしごと二つ三つありおでん煮る　常原拓【季語＝おでん（冬）】

• 2024.12.07

大いなる手袋忘れありにけり　高濱虚子【季語＝手袋（冬）】

• 2024.12.04

まひるまの秋刀魚の長く焼かれあり　波多野爽波【季語＝秋刀魚（秋）】

• 2024.08.20

金魚大鱗夕焼の空の如きあり　松本たかし【季語＝金魚（夏）】

• 2024.06.26

街の縮図が薔薇挿すコップの面にあり　原子公平 【季語＝薔薇（夏）】

• 2024.06.13

夕餉まで少し間のあり額の花　片山由美子【季語＝額の花（夏）】

• 2024.05.24

うららかや空より青き流れあり　阿部みどり女【季語＝うららか（春）】

• 2024.04.19

海市あり別れて匂ふ男あり　秦夕美【季語＝海市（春）】

• 2024.04.08

ラグビーのゴールは青き空にあり　長谷川櫂【季語＝ラグビー（冬）】

• 2023.09.15

筍にくらき畳の敷かれあり　飯島晴子【季語＝筍（夏）】

• 2023.05.21

五十なほ待つ心あり髪洗ふ　大石悦子【季語＝髪洗ふ（夏）】

• 2023.05.15

鎌倉を驚かしたる余寒あり　高濱虚子【季語＝余寒（春）】

• 2023.02.12

スバルしずかに梢を渡りつつありと、はろばろと美し古典力学　永田和宏

• 2022.12.25

つはの葉につもりし雪の裂けてあり     加賀谷凡秋【季語＝雪（冬）】

• 2022.11.26

凍港や旧露の街はありとのみ　山口誓子【季語＝凍つ（冬）】

• 2022.11.08

高梁折れて頬を打つあり鶉追ふ      三溝沙美【季語＝鶉（秋）】

• 2022.11.04

目のなかに芒原あり森賀まり　田中裕明【季語＝芒（秋）】

• 2022.09.12

夏山に勅封の大扉あり　宇佐美魚目【季語＝夏山（夏）】

• 2022.07.31

盥にあり夜振のえもの尾をまげて   柏崎夢香【季語＝夜振（夏）】

• 2022.07.22

而して蕃茄の酸味口にあり　嶋田青峰【季語＝トマト（夏）】

• 2022.06.16

冷やっこ試行錯誤のなかにあり　安西水丸【季語＝冷やっこ（夏）】

• 2022.06.04

蛇の衣傍にあり憩ひけり　高濱虚子【季語＝蛇の衣（夏）】

• 2022.05.21

かゝる世もありと暮しぬ春炬燵　松尾いはほ【季語＝春炬燵（春）】

• 2022.04.21

杜甫にして余寒の詩句ありなつかしき　森澄雄【季語＝余寒（春）】

• 2022.02.24

年玉受く何も握れぬ手でありしが　髙柳克弘【季語＝年玉（新年）】

• 2022.02.06

初夢にドームがありぬあとは忘れ　加倉井秋を【季語＝初夢（新年）】

• 2022.01.02

一陣の温き風あり返り花　小松月尚【季語＝返り花（冬）】

• 2021.11.12

本捨つる吾に秋天ありにけり　渡部州麻子【季語＝秋天（秋）】

• 2021.08.24

大いなる春を惜しみつ家に在り　星野立子【季語＝春惜しむ（春）】

• 2021.04.30

悉く全集にあり衣被　田中裕明【季語＝衣被（秋）】

• 2020.09.16