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汽車逃げてゆくごとし野分追ふごとし 目迫秩父【季語=野分(秋)】
汽車逃げてゆくごとし野分追ふごとし目迫めさく秩父(『雪無限』琅玕洞)つい、「野分」を衛星画像の移動する台風のように想像してしまうのだけれど、そんなもののない時代の作品。風を可視化するには、芭蕉「吹き…
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滴りてふたりとは始まりの数 辻美奈子【季語=滴り(夏)】
滴りてふたりとは始まりの数辻美奈子(『真咲』) 旧約聖書の…
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盥にあり夜振のえもの尾をまげて 柏崎夢香【季語=夜振(夏)】
盥にあり夜振のえもの尾をまげて柏崎夢香(かしわざき・むこう))…
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雲の中瀧かゞやきて音もなし 山口青邨【季語=瀧(夏)】
雲の中瀧かゞやきて音もなし山口青邨家電量販店をぶらついてい…
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山羊群れて夕立あとの水ほとり 江川三昧【季語=夕立(夏)】
山羊群れて夕立あとの水ほとり江川三昧(えがわ・さんまい))…
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とらが雨など軽んじてぬれにけり 一茶【季語=虎が雨(夏)】
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丹田に力を入れて浮いて来い 飯島晴子【季語=浮いて来い(夏)】
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雲の峰ぬつと東京駅の上 鈴木花蓑【季語=雲の峰(夏)】
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いちまいの水田になりて暮れのこり 長谷川素逝【季語=水田(夏)】
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無方無時無距離砂漠の夜が明けて 津田清子(無季)
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紙魚の跡たどりて紙魚に逢はんとす 後藤夜半【季語=紙魚(夏)】
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襖しめて空蟬を吹きくらすかな 飯島晴子【季語=空蟬(夏)】