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花いばら髪ふれあひてめざめあふ 小池文子【季語=花いばら(夏)】
花いばら髪ふれあひてめざめあふ小池文子(『木靴』)幼い頃は、姉と一緒に眠ることが多かった。三歳年上の姉は、色素の薄い細い髪をしており、頬に触れるとさらりとして気持ちが良かった。姉は姉で、漆黒で光沢の…
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すきとおるそこは太鼓をたたいてとおる 阿部完市
すきとおるそこは太鼓をたたいてとおる阿部完市(『にもつは絵馬』昭和49年)…
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早乙女のもどりは眼鏡掛けてをり 鎌田恭輔【季語=早乙女(夏)】
早乙女のもどりは眼鏡掛けてをり鎌田恭輔拙句集『王国の名』の…
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性あらき郡上の鮎を釣り上げて 飴山實【季語=鮎(夏)】
性あらき郡上の鮎を釣り上げて飴山實(『飴山實全句集』平成15年)…
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マンホール出て蝙蝠となる男 小浜杜子男【季語=蝙蝠(夏)】
マンホール出て蝙蝠となる男小浜杜子男月の光が差し込む部屋で…
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夜の子の明日の水着を着てあるく 森賀まり【季語=水着(夏)】
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しまうまがシャツ着て跳ねて夏来る 富安風生【季語=夏来る(夏)】
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捩花の誤解ねぢれて空は青 細谷喨々【季語=捩花(夏)】
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かんぱちも乗せて離島の連絡船 西池みどり【季語=かんぱち(夏)】
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さうらしく見えてだんだん鴉の巣 大畑善昭【季語=鴉の巣(春)】
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わが家の見えて日ねもす蝶の野良 佐藤念腹【季語=蝶(春)】
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抱きしめてもらへぬ春の魚では 夏井いつき【季語=春の魚(春)】