夏の季語

【夏の季語】香水

【夏の季語=三夏(5月〜7月)】香水

」のにおいを消すために用いられることから、「香水」は夏の季語になっている。

昔は女性の身だしなみでしたが、今では男性も使います。

「香水」という言葉は、もともと仏前に供える香りのついた水を指しました。

液体に香料を溶かしたものが「香水」と呼ばれるのは、明治時代に入ってから。


【香水(上五)】
香水や時折キッとなる婦人 京極杞陽 
香水の香ぞ鉄壁をなせりけり 中村草田男
香水の正札壜を透きとほり 星野立子
香水の香の内側に安眠す 桂信子
香水や楽譜をめくるのが仕事 栗林浩
香水やマンハッタンに昼と夜 畔柳海村
香水の男と時刻表を見る 大類準一
香水や昇降遅きエレベータ 岡本政満
香水をしのびよる死の如くつけ 恩田侑布子
香水の匂ふ庇に入りけり 伊藤麻美

【香水(中七)】
汗ばみて来て香水のよく匂ふ 中村汀女
一滴もなき香水壜の強き匂ひ 内藤吐夫
嫁ぐ友来て香水のほのかなり 斉藤洋子
うなさかへ香水一滴二滴かな 中悦子
多国籍香水六時六本木 佐川盟子
かの日より香水減らず妻の部屋 伊藤伊那男
また違ふ香水過る夜会かな 吉田千嘉子
名を忘れ香水の名を忘れざる 西生ゆかり

【香水(下五)】
あねいもと性異なれば香水も 吉屋信子


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