【毎日更新】俳人事典(50音順)

【は行】
◯橋本蝸角 〈今もある須磨療養所獺祭忌
橋本鶏二(はしもと・けいじ)1907年ー1990年〈仔馬にも少し荷をつけ時鳥
橋本小たか(はしもと・こたか)1974年ー 〈曼珠沙華傾くまいとしてをりぬ
橋本喜夫(はしもと・よしお)1957年ー 〈聴診に一生の秋を聴きにけり
長谷川秋子(はせがわ・あきこ)1926年ー1973年 〈愛に安心なしコスモスの揺れどほし〉〈秋鰺の青流すほど水をかけ
◯畑耕一(はた・こういち)1886年ー1957年 〈恋人はめんどうな人さくらんぼ
波多野爽波(はたの・そうは)1923年ー2001年 〈まひるまの秋刀魚の長く焼かれあり
秦夕美(はた・ゆみ)1938年ー2023年 〈海市あり別れて匂ふ男あり〉〈ものゝふの掟はしらず蜆汁〉〈付喪神いま立ちかへる液雨かな
八田木枯(はった・こがらし)1925年ー2012年 〈八月は常なる月ぞ耐へしのべ〉〈立読みの少年夏は斜めに過ぎ
服部郁史(はっとり・いくし) 〈マンゴー売るペットの鸚鵡肩に止め
馬場叶羽(ばば・かなう)2004年ー 〈火ぶくれの地球の只中に日傘
原子公平(はらこ・こうへい)1919年ー2004年 〈街の縮図が薔薇挿すコップの面にあり
原裕(はら・ゆたか)1930年ー1999年 〈おとろへし親におどろく野分かな
◯林誠司(はやし・せいじ)1965年ー 〈母の日の義母にかなしきことを告ぐ
◯日下野由季(ひがの・ゆき)1977年ー 〈これ以上愛せぬ水を打つてをり
日野草城(ひの・そうじょう)1901年ー1956年 〈樹も草もしづかにて梅雨はじまりぬ〉〈ラヂオさへ黙せり寒の曇り日を〉〈〉
平田修(ひらた・しゅう)ー2006年 〈六畳葉っぱの死ねない唇の元気〉〈かがみ込めば冷たい水の水六畳〉〈握れば冷たい個人の鍵と富士宮〉〈生まれて来たか九月に近い空の色〉〈身の奥の奥に蛍を詰めてゆく〉〈芥回収ひしめくひしめく楽アヒル〉〈えんえんと僕の素性の八月へ〉〈まなぶたを薄くめくった海がある〉〈夏まっさかり俺さかさまに家離る〉〈純粋な水が死に水花杏〉〈かなしみへけん命になる螢でいる〉〈夏の月あの貧乏人どうしてるかな
広渡敬雄(ひろわたり・たかお)1951年ー 〈ゴーヤチャンプルなるやうにしかならぬ〉〈あり余る有給休暇鳥の恋〉〈横顔は子規に若くなしラフランス〉〈犬の仔のすぐにおとなや草の花
深見けん二(ふかみ・けんじ)1922年ー2021年 〈ふところに四万六千日の風〉〈人はみななにかにはげみ初桜〉〈薄氷の吹かれて端の重なれる〉〈先生はいつもはるかや虚子忌来る〉〈見るうちに開き加はり初桜〉〈ふくしまに生れ今年の菊膾〉〈こまごまと大河のごとく蟻の列〉〈人生の今を華とし風薫る
福田若之(ふくだ・わかゆき)1991年ー 〈僕のほかに腐るものなく西日の部屋
藤井あかり(ふじい・あかり)1980 年ー 〈もの書けば余白の生まれ秋隣〉〈人悼む時のみぞおち青嵐〉〈胸指して此処と言ひけり青嵐
藤木倶子(ふじき・ともこ)1931ー2018年 〈瀧壺を離れし水に歩を合はす
藤田哲史(ふじた・さとし)1987年ー 〈蟷螂にコップ被せて閉じ込むる
藤田直子(ふじた・なおこ) 1950年ー 〈秋麗の柩にもたれ眠りけり
藤本夕衣(ふじもと・ゆい)1979年ー 〈片足はみづうみに立ち秋の人〉〈どの絵にも前のめりして秋の人
佛原明澄(ぶつはら・めいちょう)1934年ー 〈一つだに動かぬ干梅となりて
古沢太穂(ふるさわ・たいほ)1913年ー2000年 〈赤んぼころがり昼寝の漁婦に試射砲音
冬野虹(ふゆの・にじ)1943年ー2002年 〈向日葵の闇近く居る水死人〉〈つゆくさをちりばめここにねむりなさい
坊城俊樹(ぼうじょう・としき)1957年ー 〈永遠のステンドグラス秋日濃し〉〈鴨が来て池が愉快となりしかな
星野立子(ほしの・たつこ)1904年ー1984年 〈いつの間にがらりと涼しチョコレート〉〈吾も春の野に下りたてば紫に〉〈電車いままつしぐらなり桐の花〉〈誰もみなコーヒーが好き花曇〉〈雛節句一夜過ぎ早や二夜過ぎ〉〈来て見れば来てよかりしよ梅椿〉〈しんしんと寒さがたのし歩みゆく〉〈美しき緑走れり夏料理〉〈大いなる春を惜しみつ家に在り〉〈雛飾りつゝふと命惜しきかな〉〈春雷や刻来り去り遠ざかり〉〈幻影の春泥に投げ出されし靴〉〈悲しみもありて松過ぎゆくままに
堀井春一郎(ほりい・しゅんいちろう)1927年ー1976年 〈クリスマス「君と結婚していたら」〉〈太宰忌や誰が喀啖の青みどろ
堀切克洋(ほりきり・かつひろ)1983年ー
◯堀口星眠(ほりぐち・せいみん)1923年-2015年〈土星の輪涼しく見えて婚約す〉