1. 宵山の装ひ解かず抱かれけり 角川春樹【季語=宵山(夏)】

    宵山の装ひ解かず抱かれけり角川春樹(『いのちの緒』)京都の八坂神社の祭礼である祇園祭は、七月一日の「吉符入」より始まり、「くじ取り式」などを経て、「神輿洗い」「鉾建て」「鉾の曳き初め」と続く。祭のハ…

  2. 一つだに動かぬ干梅となりて 佛原明澄【季語=干梅(夏)】

    一つだに動かぬ干梅となりて佛原明澄『棚田』(平成六年刊)所収…

  3. 楽譜読めぬ子雲をつれて親夏雲 秋元不死男【季語=夏雲(夏)】

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  4. 蛇を知らぬ天才とゐて風の中 鈴木六林男【季語=蛇(夏)】

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  5. 抱きしめてもらへぬ春の魚では 夏井いつき【季語=春の魚(春)】

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