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宵山の装ひ解かず抱かれけり 角川春樹【季語=宵山(夏)】
宵山の装ひ解かず抱かれけり角川春樹(『いのちの緒』)京都の八坂神社の祭礼である祇園祭は、七月一日の「吉符入」より始まり、「くじ取り式」などを経て、「神輿洗い」「鉾建て」「鉾の曳き初め」と続く。祭のハ…
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一つだに動かぬ干梅となりて 佛原明澄【季語=干梅(夏)】
一つだに動かぬ干梅となりて佛原明澄『棚田』(平成六年刊)所収…
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楽譜読めぬ子雲をつれて親夏雲 秋元不死男【季語=夏雲(夏)】
楽譜読めぬ子雲をつれて親夏雲秋元不死男雲はみていて飽きるこ…
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蛇を知らぬ天才とゐて風の中 鈴木六林男【季語=蛇(夏)】
蛇を知らぬ天才とゐて風の中鈴木六林男(『荒天』昭和24年)…
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抱きしめてもらへぬ春の魚では 夏井いつき【季語=春の魚(春)】
抱きしめてもらへぬ春の魚では夏井いつき(『伊月集』)春の魚…
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流氷や宗谷の門波荒れやまず 山口誓子【季語=流氷(春)】
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誰も口にせぬ流氷の向かうの地 塩崎帆高【季語=流氷(春)】
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父の手に負へぬ夜泣きや夏の月 吉田哲二【季語=夏の月(夏)】
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雪折を振り返ることしかできず 瀬間陽子【季語=雪折(冬)】
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みじろがず白いマスクの中にいる 梶大輔【季語=マスク(冬)】
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秋うらら他人が見てゐて樹が抱けぬ 小池康生【季語=秋うらら(秋)】
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逢いたいと書いてはならぬ月と書く 池田澄子【季語=月(秋)】