カテゴリー:日下野由季
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松過ぎの一日二日水の如 川崎展宏【季語=松過ぎ(新年)】
松過ぎの一日二日水の如 川崎展宏 一月七日に七草粥を食べると同時に、今日で松の内も終りね、と思うのが関東に住んでいる私の感覚。そして玄関先に飾ってある正月飾りを取り外しに行く。(関西…詳細を見る -
いづくともなき合掌や初御空 中村汀女【季語=初御空(新年)】
いづくともなき合掌や初御空 中村汀女 今日から仕事始めですね。少し早い正月気分の切り上げになりましたが、ご紹介する句は元日の句です。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・…詳細を見る -
数へ日を二人で数へ始めけり 矢野玲奈【季語=数へ日(冬)】
数へ日を二人で数へ始めけり 矢野玲奈 いつもはWeekdayのはじまりの月曜日ですが、今日は仕事を納めてゆっくり、という方も多いのでしょうか。いよいよ今年も残りわずかの数え日です。 …詳細を見る -
うつくしき羽子板市や買はで過ぐ 高浜虚子【季語=羽子板市(冬)】
うつくしき羽子板市や買はで過ぐ 高浜虚子 東京では17日より3日間、浅草観音の境内で羽子板市が立つ。そのずらりと並んだ絢爛豪華な光景はまさに 羽子板市三日の栄華つくしけり 水…詳細を見る -
てつぺんにまたすくひ足す落葉焚 藺草慶子【季語=落葉焚(冬)】
てつぺんにまたすくひ足す落葉焚 藺草慶子 落葉焚は童謡の「たき火」の歌を思い出すせいか、どこかノスタルジーな気分にさせてくれる季語だ。 私が小さい頃は、冬になると家の庭先や畑で…詳細を見る -
大空に伸び傾ける冬木かな 高浜虚子【季語=冬木(冬)】
大空に伸び傾ける冬木かな 高浜虚子 常緑樹でも落葉樹でも、冬の樹木を総称して冬木と言うが、どちらかというと、葉を落として幹や枝々があらわになった落葉樹の方が冬木というにふさわしい。 …詳細を見る -
あたたかき十一月もすみにけり 中村草田男【季語=冬の空(冬)】
あたたかき十一月もすみにけり 中村草田男 11月も今日で終わり。 歳時記の中で見ていただけではどこか漠然としていたものが、実際にその物や季節を体験するとすとんと腑に落ちる句があ…詳細を見る -
いつの間に昼の月出て冬の空 内藤鳴雪【季語=冬の空(冬)】
いつの間に昼の月出て冬の空 内藤鳴雪 雲一つない冬の空に、うっすらとかかる昼の月。 「いつの間に」という表現が素直すぎて巧い句ではないけれど、何だかとても共感できる句だ。 …詳細を見る -
逢へば短日人しれず得ししづけさも 野澤節子【季語=短日(冬)】
逢へば短日人しれず得ししづけさも 野澤節子 冬の日暮れの早さは、人との別れの時間を早くもさせる。 「もう、結構な時間になりましたか」 「あら、ほんとう、外がすっかり暗く.…詳細を見る -
冬と云ふ口笛を吹くやうにフユ 川崎展宏【冬の季語=冬(冬)】
冬と云ふ口笛を吹くやうにフユ 川崎展宏 立冬を過ぎて、気づけばいつのまにか季節は冬へ。 それぞれの季節の立つ頃は前の季節が残っていて、季が変ってもたいてい名ばかりという感じがす…詳細を見る -
夕づつにまつ毛澄みゆく冬よ来よ 千代田葛彦【季語=冬隣(秋)】
夕づつにまつ毛澄みゆく冬よ来よ 千代田葛彦 「夕づつ」は漢字で書くと「夕星」。 夕方になると西の空にいち早く点る大きな星で、宵の明星とも言い、金星のことを指す。 金星の最…詳細を見る -
団栗の二つであふれ吾子の手は 今瀬剛一【季語=団栗(秋)】
団栗の二つであふれ吾子の手は 今瀬剛一 今年の秋は、家の中のあちらこちらに団栗が転がっている。 二歳の娘が公園に行くたびに、 「はい、おみやげ」 と、拾った団栗を持…詳細を見る