カテゴリー:日下野由季
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筍の光放つてむかれけり 渡辺水巴【季語=筍(夏)】
筍の光放つてむかれけり 渡辺水巴 筍が食卓にのぼる季節になった。スーパーでも目立つところに置かれてあるし、SNSを眺めていても、美味しそうな筍料理の写真が目に飛び込んでくる。 …詳細を見る -
桜蘂ふる一生が見えてきて 岡本眸【季語=桜蘂ふる(春)】
桜蘂ふる一生が見えてきて 岡本 眸 窓から見える景色が、ところどころ紅(くれない)がかって来た。 もう、桜蘂降る頃か。。。 東京の桜は、ほんの数日の間に盛りを過ぎて、今は…詳細を見る -
さへづりのだんだん吾を容れにけり 石田郷子【季語=囀(春)】
さへづりのだんだん吾を容れにけり 石田郷子 囀(さえず)りは春に小鳥たちが求愛のために鳴く声。雌の気をひくために、そしてテリトリーを守るために、雄はさかんに囀る。 その声は、時…詳細を見る -
父がまづ走つてみたり風車 矢島渚男【季語=風車(春)】
父がまづ走つてみたり風車 矢島渚男 最近、風車(かざぐるま)を見かけることがほとんどなくなった気がする。私の子どもの頃は、遊び道具の一つとして、どこからやってきたのか分からない風車が…詳細を見る -
人はみななにかにはげみ初桜 深見けん二【季語=初桜(春)】
人はみななにかにはげみ初桜 深見けん二 初桜とはその年に初めて咲いた桜のこと。初めて出会った桜の花ということ。 「ああ、今年も桜が咲き始めたなあ」という花に出会えた喜びが、そこ…詳細を見る -
妻の遺品ならざるはなし春星も 右城暮石【季語=春星(春)】
妻の遺品ならざるはなし春星も 右城暮石 ここのところ、何となく物憂い気持ちで過ごしている。 春の気怠さだろうか、と思っていたのだが、そうではなくて、あの日が近づいているからなの…詳細を見る -
軋みつつ花束となるチューリップ 津川絵理子【季語=チューリップ(春)】
軋みつつ花束となるチューリップ 津川絵理子 今日から三月。 ゆっくりと動き出していた春の息吹も、三月に入ると目に見えて感じるようになってくる。木や草が芽吹きはじめ、菫や蒲公英が…詳細を見る -
来て見ればほゝけちらして猫柳 細見綾子【季語=猫柳(春)】
来て見ればほゝけちらして猫柳 細見綾子 今日、2月22日は猫の日。 といってももちろんこれは日本だけのお話。「にゃんにゃんにゃん」の語呂合わせなのだから、当然と言えば当然。 …詳細を見る -
氷に上る魚木に登る童かな 鷹羽狩行【季語=紅梅(春)】
氷に上る魚木に登る童かな 鷹羽狩行 「氷に上る魚」は「魚氷(うおひ)に上(のぼ)る」のことで、七十二候の一つである初春の季語。七十二候とは、二十四節気をさらに約五日ずつに区切り、それ…詳細を見る -
紅梅や凍えたる手のおきどころ 竹久夢二【季語=紅梅(春)】
紅梅や凍えたる手のおきどころ 竹久夢二 画家で詩人でもあった竹久夢二の俳句。 青鷺にかりそめならぬ別れかな 跫音をまつ明暮や萩の花 夕立や砂にまみれし庭草履 …詳細を見る -
叱られて目をつぶる猫春隣 久保田万太郎【季語=春隣(冬)】
叱られて目をつぶる猫春隣 久保田万太郎 もうすぐ春がやってくる。 今年は明日が節分、明後日が立春、と一日早い春の訪れ。 この句の季語は「春隣」。 字から見てもわかる…詳細を見る -
水仙や古鏡の如く花をかかぐ 松本たかし【季語=水仙(冬)】
水仙や古鏡の如く花をかかぐ 松本たかし 「古鏡」とは古代の金属製の鏡。青銅や白銅で鋳造したものの表面を磨き上げて光の反射で映るようにしたものだ。 古代の人がそこに顔を映して眺め…詳細を見る