「天為」
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ぬばたまの夜やひと触れし髪洗ふ 坂本宮尾【季語=髪洗ふ(夏)】
ぬばたまの夜やひと触れし髪洗ふ坂本宮尾(『天動説』)幼い頃、髪を洗うのは三日に一回であった。濡れた髪は風邪をひきやすいという理由であった。母親が忙しくて髪を洗ったり乾かしたりする手伝いが出来なかった…
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鳥不意に人語を発す更衣 有馬朗人【季語=更衣(夏)】
鳥不意に人語を発す更衣有馬朗人鳥は明らかに言葉を喋っている…
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土のこと水のこと聞き苗を買ふ 渡部有紀子【季語=苗を買ふ(春)】
土のこと水のこと聞き苗を買ふ渡部有紀子新入社員へのレクチャ…
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鷹鳩と化して大いに恋をせよ 仙田洋子【季語=鷹鳩と化す(春)】
鷹鳩と化して大いに恋をせよ仙田洋子 この度のわが人生の節目…
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魚は氷に上るや恋の扉開く 青柳飛【季語=魚氷に上る(春)】
魚は氷に上るや恋の扉開く青柳飛(「天為」) 俳人の間で「歳…
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純愛や十字十字の冬木立 対馬康子【季語=冬木立(冬)】
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酔うて泣きデザートを食ひ年忘 岸本尚毅【季語=年忘(冬)】
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泥棒の恋や月より吊る洋燈 大屋達治【季語=月(秋)】
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マグダラのマリア恋しや芥子の花 有馬朗人【季語=芥子の花(夏)】
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枯野ゆく最も遠き灯に魅かれ 鷹羽狩行【季語=枯野(冬)】
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義士の日や途方に暮れて人の中 日原傳【季語=義士の日(冬)】
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ある年の子規忌の雨に虚子が立つ 岸本尚毅【季語=子規忌(秋)】