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橋本直
駅蕎麦の旨くなりゆく秋の風 大牧広【季語=秋の風(秋)】
2022.09.15
茄子もぐ手また夕闇に現れし 吉岡禅寺洞【季語=茄子(秋)】
2022.09.08
汽車逃げてゆくごとし野分追ふごとし 目迫秩父【季語=野分(秋)】
2022.09.01
天高し深海の底は永久に闇 中野三允【季語=天高し(秋)】
2022.08.25
なんぼでも御代りしよし敗戦日 堀本裕樹【季語=敗戦日(秋)】
2022.08.18
もの書けば余白の生まれ秋隣 藤井あかり【季語=秋隣(夏)】
2022.08.04
利根川のふるきみなとの蓮かな 水原秋櫻子【季語=蓮(夏)】
2022.07.28
夏痩せて瞳に塹壕をゑがき得ざる 三橋鷹女【季語=夏痩(夏)】
2022.07.21
すばらしい乳房だ蚊が居る 尾崎放哉【季語=蚊(夏)】
2022.07.14
方舟へ行く一本道の闇上野ちづこ(無季)
2022.07.07
とらが雨など軽んじてぬれにけり 一茶【季語=虎が雨(夏)】
2022.06.30
骨拾ふ喉の渇きや沖縄忌 中村阪子【季語=沖縄忌(夏)】
2022.06.23
而して蕃茄の酸味口にあり 嶋田青峰【季語=トマト(夏)】
2022.06.16
洗顔のあとに夜明やほととぎす 森賀まり【季語=ほととぎす(夏)】
2022.06.09
六月を奇麗な風の吹くことよ 正岡子規【季語=六月(夏)】
2022.06.02
梅雨の日の烈しくさせば罌粟は燃ゆ 篠田悌二郎【季語=梅雨・罌粟(夏)】
2022.05.26
麦からを焼く火にひたと夜は来ぬ 長谷川素逝【季語=麦からを焼く?】
2022.05.19
「ワイシャツのアイロンがけをしてほしい」夫に言われた妻の衝撃 片岡絢
2022.05.12
体内の水傾けてガラス切る 須藤徹【無季】
2022.05.05
湖の水かたふけて田植かな 高井几董【季語=田植(夏)】
2022.04.28
スタールビー海溝を曳く琴騒の 八木三日女
2022.04.22
鯛の眼の高慢主婦を黙らせる 殿村菟絲子
2022.04.14
あたゝかな雨が降るなり枯葎 正岡子規【季語=あたたか(春)?】
2022.04.07
目つぶりて春を耳嚙む処女同志 高篤三【季語=春(春)】
2022.03.31
名ばかりの垣雲雀野を隔てたり 橋閒石【季語=雲雀野(春)】
2022.03.24
春宵や光り輝く菓子の塔 川端茅舎【季語=春宵(春)】
2022.03.17
特定のできぬ遺体や春の泥 高橋咲【季語=春の泥(春)】
2022.03.10
炎ゆる 琥珀の/神の/掌の 襞/ひらけば/開く/歴史の 喪章 湊喬彦
2022.03.03
杜甫にして余寒の詩句ありなつかしき 森澄雄【季語=余寒(春)】
2022.02.24
野の落暉八方へ裂け 戰爭か 楠本憲吉
2022.02.17
寒天煮るとろとろ細火鼠の眼 橋本多佳子【季語=寒天(冬)】
2022.02.10
ばばばかと書かれし壁の干菜かな 高濱虚子【季語=干菜(冬)】
2022.02.05
大寒の一戸もかくれなき故郷 飯田龍太【季語=大寒(冬)】
2022.01.27
付喪神いま立ちかへる液雨かな 秦夕美【季語=液雨(冬)】
2022.01.20
澤龜の萬歳見せう御國ぶり 正岡子規【季語=萬歳(新年)】
2022.01.13
あたゝかに六日年越よき月夜 大場白水郎【季語=六日年越(新年)】
2022.01.06
大年やおのづからなる梁響 芝不器男【季語=大年(冬)】
2021.12.30
戸隠の山より風邪の神の来る 今井杏太郎【季語=風邪(冬)】
2021.12.23
天籟を猫と聞き居る夜半の冬 佐藤春夫【季語=夜半の冬(冬)】
2021.12.16
暗闇の眼玉濡さず泳ぐなり 鈴木六林男【季語=泳ぐ(夏)】
2021.12.09
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