カテゴリー:鈴木牛後
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しばれるとぼつそりニッカウィスキー 依田明倫【季語=しばれる(冬)】
しばれるとぼつそりニッカウィスキー 依田明倫 「しばれる」は歳時記の解説では、「北海道・東北地方において、特に厳しく冷え込む時や、ものみな凍るように感じられるほど寒い時にいう」(角川…詳細を見る -
極寒の寝るほかなくて寝鎮まる 西東三鬼【季語=極寒(冬)】
極寒の寝るほかなくて寝鎮まる 西東三鬼 極寒とはどれくらいの寒さを言うのだろうか。「平凡社俳句歳時記」(冬/山口青邨編)では、東京の場合「氷点下三度以下になった日を厳寒と見なして」と…詳細を見る -
牛日や駅弁を買いディスク買い 木村美智子【季語=牛日(新年)】
牛日や駅弁を買いディスク買い 木村美智子 あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。 1月1日は鶏日、2日は狗日…とあって本日5日が牛日。昔の中国の習慣…詳細を見る -
牛乳の膜すくふ節季の金返らず 小野田兼子【季語=節季(冬)】
牛乳の膜すくふ節季の金返らず 小野田兼子 季語は「節季」。講談社日本大歳時記の解説には、「本来は、季の節、即ち各季節季節の終わりのことであるが、転じてお盆や年の暮の商売上の勘定期を言…詳細を見る -
懐手蹼ありといつてみよ 石原吉郎【季語=懐手(冬)】
懐手蹼ありといつてみよ 石原吉郎 懐手は和服ならではの季語だが、独特の情緒があって私はとても好きだ。男性の和服姿を見る機会はなかなかないので、実際に懐手を見たことはないのだが。 …詳細を見る -
白息の駿馬かくれもなき曠野 飯田龍太【季語=白息(冬)】
白息の駿馬かくれもなき曠野 飯田龍太 私は柄にもなくNHKの朝ドラのファンなので、先日から新しく始まった「おちょやん」も楽しみに見ている。主人公は小さな養鶏場の娘だ。そのドラマに、そ…詳細を見る -
ストーブに貌が崩れていくやうな 岩淵喜代子【季語=ストーブ(冬)】
ストーブに貌が崩れていくやうな 岩淵喜代子 12月4日の本欄に、阪西敦子さんが《ストーブに判をもらひに来て待てる 粟津松彩子》という句のことを書いていた。確かにスチーム暖房と違って、…詳細を見る -
印刷工枯野に風を増刷す 能城檀【季語=枯野(冬)】
印刷工枯野に風を増刷す 能城檀 この句に目が留まったのは、二十代の頃、印刷工として働いていた記憶が呼び起こされたからだろう。もう30年も前のことだが、最大でA3までしか印刷できない小…詳細を見る -
馬孕む冬からまつの息赤く 粥川青猿【季語=冬からまつ(冬)】
馬孕む冬からまつの息赤く 粥川青猿 作者は北海道十勝の人。十勝で飼養されている馬は主に「ばんえい競馬」用の重種馬といわれる馬で、サラブレッドと比較して体がかなり大きい。乳牛なども重種…詳細を見る -
馬小屋に馬の表札神無月 宮本郁江【季語=神無月(冬)】
馬小屋に馬の表札神無月 宮本郁江 馬小屋に馬の名前の書いてある札が掛かっていたというだけの景だが、この札を「馬の表札」と表現したことでイメージが広がった。この「表札」は、サラブレッド…詳細を見る -
人の世に雪降る音の加はりし 伊藤玉枝【季語=雪(冬)】
人の世に雪降る音の加はりし 伊藤玉枝 今年の当地の初雪は10月30日だった。平年より2週間くらい遅かったのではないかと思う。遅いのはありがたいことなのだが、かえって降り出したらあっと…詳細を見る -
真っ黒な鳥が物言う文化の日 出口善子【季語=文化の日(秋)】
真っ黒な鳥が物言う文化の日 出口善子 ものを言う真っ黒な鳥といえば九官鳥だろう。九官鳥は、熱帯アジアの森林に広く分布していて、日本には江戸時代に初めて輸入されたという。オウムやインコ…詳細を見る