ハイクノミカタ安里琉太
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恐るべき八十粒や年の豆 相生垣瓜人【季語=年の豆(冬)】
恐るべき八十粒や年の豆相生垣瓜人笑える句である。いくら健啖な八十歳でも、いざ八十粒も食べねばならないとなるときびしかろう。というか、年齢関係なしに八十粒は普通にきびしい。口の中がひどいことに…
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霜夜子は泣く父母よりはるかなものを呼び 加藤楸邨【季語=霜夜(冬)】
霜夜子は泣く父母よりはるかなものを呼び加藤楸邨霜を踏んで来…
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龍の玉深く蔵すといふことを 高浜虚子【季語=龍の玉(新年)】
龍の玉深く蔵すといふことを高浜虚子いわゆる名句である。…
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一天の玉虫光り羽子日和 清崎敏郎【季語=羽子板(新年)】
一天の玉虫光り羽子日和清崎敏郎「一天」という音の引き締まり…
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古きよき俳句を読めり寝正月 田中裕明【季語=寝正月(新年)】
古きよき俳句を読めり寝正月田中裕明普段忙殺されていると、正…
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スバルしずかに梢を渡りつつありと、はろばろと美し古典力学 永田和宏
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雪といひ初雪といひ直しけり 藤崎久を【季語=初雪(冬)】
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海鼠切りもとの形に寄せてある 小原啄葉【季語=海鼠(冬)】
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枯蓮のうごく時きてみなうごく 西東三鬼【季語=枯蓮(冬)】
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ほほゑみに肖てはるかなれ霜月の火事の中なるピアノ一臺 塚本邦雄
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あたゝかき十一月もすみにけり 中村草田男【季語=十一月(冬)】
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デパートの旗ひらひらと火事の雲 横山白虹【季語=火事(冬)】