ハイクノミカタ安里琉太
-
黒き魚ひそみをりとふこの井戸のつめたき水を夏は汲むかも 高野公彦
黒き魚ひそみをりとふこの井戸のつめたき水を夏は汲むかも高野公彦井戸水の冷たさから、人づてに聞いたのであろう「黒き魚」の質感を肉付けしていくのではなく、先に「黒き魚」を出しておいて、水の冷たさなどの形…
-
露地裏を夜汽車と思ふ金魚かな 攝津幸彦【季語=金魚(夏)】
露地裏を夜汽車と思ふ金魚かな攝津幸彦難解と言われているのを…
-
プラタナス夜もみどりなる夏は来ぬ 石田波郷【季語=夏来る(夏)】
プラタナス夜もみどりなる夏は来ぬ石田波郷以前鑑賞した「あえ…
-
いけにえにフリルがあって恥ずかしい 暮田真名
いけにえにフリルがあって恥ずかしい暮田真名上五中七の措辞は…
-
切腹をしたことがない腹を撫で 土橋螢
切腹をしたことがない腹を撫で土橋螢ぽつねんと腹を撫でている…
-
蟲鳥のくるしき春を不爲 高橋睦郎【季語=春(春)】
-
春山もこめて温泉の国造り 高濱虚子【季語=春山(春)】
-
毛皮はぐ日中桜満開に 佐藤鬼房【季語=桜(春)】
-
あえかなる薔薇撰りをれば春の雷 石田波郷【季語=春の雷(春)】
-
鉛筆一本田川に流れ春休み 森澄雄【季語=春休み(春)】
-
ハナニアラシノタトヘモアルゾ 「サヨナラ」ダケガ人生ダ 井伏鱒二
-
厨房に貝があるくよ雛祭 秋元不死男【季語=雛祭(春)】