数と俳句(三)
小滝肇
数詞はそれ自体に他の品詞にない異和感があって、十七文字の俳句の中ではとりわけ存在感を放つ、とは第一回の拙文にも書いた。数詞の本来の役割は、数量や順番を具体的に示す事だが、十進法における区切りの数、―すなわち一、十、百、千などはそれ自体が文脈のなかで特別な意味性を持ち、句の響きを大きく変化させる。これは第二回目にも少し書いたが、もう一寸詳しくみてみたい。
冒頭の二句は明確ではないが、ともに戦後の混乱がある程度収まり、生活に落ち着きがでて高度成長のはじまる前触れのような時代に詠まれたものと推測される。これらは同じように「百」という数詞を使ってもその響きは全く様相を異にしていて、さながら音楽でいうメジャーコードとマイナーコードのようだ。一句づつ。
ぼうたんの百の揺るるは湯のやうに 森 澄雄
牡丹は初夏、低木に花を開かせる。もともと華やかであり、美しい人のたとえに「立てば芍薬座れば牡丹、歩く姿は百合の花」とも言われるくらいで、その麗しさを長く愛でられてきた花の代表の一角をなす事は議論を待たない。特に白牡丹は夏の光の中に陽炎のように浮き立つと、現世ならぬ世界にいるような錯覚を覚えると言われても、大袈裟とは感じない。それが群れなすように集まって咲けばなおさらだ。少し風のあって揺れ立つさまは句では湯けむりに喩えられ、心地よさは皮膚感として伝わってくる。深読みすれば戦後の混乱も落ち着き、未来が少しは見えるようになった時代のゆとりのようなものも感じられる。牡丹の美しさと湯けむりの比喩が、この句に格別の明るさを与えている。ここで用いられた数詞の「百」は、単に花の数の概数でなくたくさんあることの例えであり、第二回目に紹介した桜の句の「中千本」の「千」と同様の意味合いを持ち、広さとして眼前を満たしていることの表現にほかならないが、場の感触の表現としてもっとも適切な選択であったろう。牡丹、湯と相俟ってなんと響きの軽やかであることか。弾むようなメジャーな音を伴い実景は作者の記憶を離れ豊かなイメージとなって、読み手の前に現れてくる。
塩田に百日筋目つけ通し 沢木欣一
こちらは一読、世界観がまったく違っている。前出の句とは作句の時期はそう違わないのに、である。人間が生きてゆくには水とともに塩は必須だ。しかしながら国土の多くを山に覆われているのに、この島国には塩の山はほとんどなく、自ら補うには昔から効率の問題が大きくても海水から採取するしかなかった。
「敵に塩を送る」との諺は戦国時代、海に面さない甲斐国武田信玄が駿河国の今川氏と敵対し、塩止めと呼ばれる禁輸政策の憂き目にあった際、信玄の宿敵上杉謙信が甲斐の良民の窮地を救うべく塩を送ったという故事に由来するといわれるが、史実かは定かではない。しかし体内を一定の塩分濃度に保たねばならぬ人間にとって、塩がいかに重要かはよく伝わってくる逸話ではある。
それほどまで大切な塩はどのようにして得られているか──作者が句の題材とした能登輪島の揚浜式塩田の製法は殊に過酷で、海の汐をかけた砂に日がよくあたるように炎天下何日も何日も千歯で筋目を入れる作業が必須となる。夏の海辺の強い日差しにさらされた身体は、黒を通り越して青ざめるまでになるという。前出のぼうたんの句の世界の華やかな明るさは、こうした苛烈な労働によってその生活の源を支えられている。塩の製法が変わっても、その事実は今もってかわらない。耕す人がいなければ、波高い海に漁に打って出る人がいなければ、私たちは一日たりとも肉体を維持することすらできない。生の厳しさをその現実を、静かなマイナーコードの和音として作者はじわりと読み手の心に響かせる。「百」はここでは数量ではなく日数を表す数詞で、それがとても長い事の比喩として用いられているが、その響きはあくまでも重い──掲句を詠み返すと、1970年ベトナム戦争に疲弊し、さまざまな矛盾が露わになった頃のアメリカでリリースされたニール・ヤングの「アフター・ザ・ゴールドラッシュ」というアルバムがなぜか脳裡をよぎる。
言葉はなんと相対的なのだろう、奏でる人の意図次第でこんなにも明暗が分かれることがこの二句の「百」によく示されている。記憶によってボリュームを得た立体が言葉の本質であり、読み手や作者のそれによって大きさが変わる相対性を有するとは第二回目に書いた内容だし、そう驚いてはいられないのだが、こうして比較してみるとそれにしても、の感は否めない。
このごろ古いアルバムの曲を聴くことに妙にはまってます。前出のアルバムの中の、「Don’t Let it Bring You Down」響きます。メジャーコード進行の曲ならジョージ・ハリスンの「Here Comes The Sun」。これも響く。
え、古過ぎだって?うーん、そうかも。でも良いものは良いのだ。 なんだかバカボンのパパみたいになった。これも古いか。来週の最終回も数詞の話。
(小滝肇)
【執筆者プロフィール】
小滝肇(こたき・はじめ)
昭和三十年広島市生まれ
平成十六年俳誌「春耕」入会
春耕同人、銀漢創刊同人を経て
現在無所属
平成三十年 第一句集『凡そ君と』
【お知らせ】
2015年に亡くなられた俳人・澤田和弥さんの句文集の出版するクラウドファンディングのプロジェクトが立ち上がっています。詳細は以下のバナーから!(Motion Galleryのプロジェクトページに遷移します)
2020年10月からスタートした「ハイクノミカタ」。【シーズン1】は、月曜=日下野由季→篠崎央子(2021年7月〜)、火曜=鈴木牛後、水曜=月野ぽぽな、木曜=橋本直、金曜=阪西敦子、土曜=太田うさぎ、日曜=小津夜景さんという布陣で毎日、お届けしてきた記録がこちらです↓
【2023年6月の火曜日☆北杜駿のバックナンバー】
>>〔5〕「我が毒」ひとが薄めて名薬梅雨永し 中村草田男
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【2023年7月の水曜日☆小滝肇のバックナンバー】
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>>〔8〕いつまでも死なぬ金魚と思ひしが 西村麒麟
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【2023年5月の水曜日☆古川朋子のバックナンバー】
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>>〔3〕葉桜の頃の電車は突つ走る 波多野爽波
>>〔4〕薫風や今メンバー紹介のとこ 佐藤智子
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【2023年4月の火曜日☆千野千佳のバックナンバー】
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>>〔3〕生きのよき魚つめたし花蘇芳 津川絵理子
>>〔4〕遠足や眠る先生はじめて見る 斉藤志歩
【2023年4月の水曜日☆山口遼也のバックナンバー】
>>〔6〕赤福の餡べつとりと山雪解 波多野爽波
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>>〔8〕対岸の比良や比叡や麦青む 対中いずみ
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【2023年3月の火曜日☆三倉十月のバックナンバー】
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>>〔4〕不健全図書を世に出しあたたかし 松本てふこ【←三倉十月さんの自選10句付】
【2023年3月の水曜日☆山口遼也のバックナンバー】
>>〔1〕鳥の巣に鳥が入つてゆくところ 波多野爽波
>>〔2〕砂浜の無数の笑窪鳥交る 鍵和田秞子
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>>〔4〕カードキー旅寝の春の灯をともす トオイダイスケ
>>〔5〕桜貝長き翼の海の星 波多野爽波
【2023年2月の火曜日☆鈴木総史のバックナンバー】
>>〔6〕立春の零下二十度の吐息 三品吏紀
>>〔7〕背広来る来るジンギスカンを食べに来る 橋本喜夫
>>〔8〕北寄貝桶ゆすぶつて見せにけり 平川靖子
>>〔9〕地吹雪や蝦夷はからくれなゐの島 櫂未知子
【2023年2月の水曜日☆楠本奇蹄のバックナンバー】
>>〔1〕うらみつらみつらつら椿柵の向う 山岸由佳
>>〔2〕忘れゆくはやさで淡雪が乾く 佐々木紺
>>〔3〕雪虫のそつとくらがりそつと口笛 中嶋憲武
>>〔4〕さくら餅たちまち人に戻りけり 渋川京子
【2023年1月の火曜日☆鈴木総史のバックナンバー】
>>〔1〕年迎ふ父に胆石できたまま 島崎寛永
>>〔2〕初燈明背にあかつきの雪の音 髙橋千草
>>〔3〕蝦夷に生まれ金木犀の香を知らず 青山酔鳴
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【2023年1月の水曜日☆岡田由季のバックナンバー】
>>〔1〕さしあたり坐つてゐるか鵆見て 飯島晴子
>>〔2〕潜り際毬と見えたり鳰 中田剛
>>〔3〕笹鳴きに覚めて朝とも日暮れとも 中村苑子
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【2022年11・12月の火曜日☆赤松佑紀のバックナンバー】
>>〔1〕氷上と氷中同じ木のたましひ 板倉ケンタ
>>〔2〕凍港や旧露の街はありとのみ 山口誓子
>>〔3〕境内のぬかるみ神の発ちしあと 八染藍子
>>〔4〕舌荒れてをり猟銃に油差す 小澤實
>>〔5〕義士の日や途方に暮れて人の中 日原傳
>>〔6〕枯野ゆく最も遠き灯に魅かれ 鷹羽狩行
>>〔7〕胸の炎のボレロは雪をもて消さむ 文挾夫佐恵
>>〔8〕オルゴールめく牧舎にも聖夜の灯 鷹羽狩行
>>〔9〕去年今年詩累々とありにけり 竹下陶子
【2022年11・12月の水曜日☆近江文代のバックナンバー】
>>〔1〕泣きながら白鳥打てば雪がふる 松下カロ
>>〔2〕牡蠣フライ女の腹にて爆発する 大畑等
>>〔3〕誕生日の切符も自動改札に飲まれる 岡田幸生
>>〔4〕雪が降る千人針をご存じか 堀之内千代
>>〔5〕トローチのすつと消えすつと冬の滝 中嶋憲武
>>〔6〕鱶のあらい皿を洗えば皿は海 谷さやん
>>〔7〕橇にゐる母のざらざらしてきたる 宮本佳世乃
>>〔8〕セーターを脱いだかたちがすでに負け 岡野泰輔
>>〔9〕動かない方も温められている 芳賀博子
【2022年10月の火曜日☆太田うさぎ(復活!)のバックナンバー】
>>〔92〕老僧の忘れかけたる茸の城 小林衹郊
>>〔93〕輝きてビラ秋空にまだ高し 西澤春雪
>>〔94〕懐石の芋の葉にのり衣被 平林春子
>>〔95〕ひよんの実や昨日と違ふ風を見て 高橋安芸
【2022年9月の水曜日☆田口茉於のバックナンバー】
>>〔5〕運動会静かな廊下歩きをり 岡田由季
>>〔6〕後の月瑞穂の国の夜なりけり 村上鬼城
>>〔7〕秋冷やチーズに皮膚のやうなもの 小野あらた
>>〔8〕逢えぬなら思いぬ草紅葉にしゃがみ 池田澄子
【2022年9月の火曜日☆岡野泰輔のバックナンバー】
>>〔1〕帰るかな現金を白桃にして 原ゆき
>>〔2〕ビル、がく、ずれて、ゆくな、ん、てきれ、いき、れ なかはられいこ
>>〔3〕サフランもつて迅い太子についてゆく 飯島晴子
>>〔4〕琴墜ちてくる秋天をくらりくらり 金原まさ子
【2022年9月の水曜日☆田口茉於のバックナンバー】
>>〔1〕九月来る鏡の中の無音の樹 津川絵理子
>>〔2〕雨月なり後部座席に人眠らせ 榮猿丸
>>〔3〕秋思かがやくストローを嚙みながら 小川楓子
>>〔4〕いちじくを食べた子供の匂ひとか 鴇田智哉
【2022年6月の火曜日☆杉原祐之のバックナンバー】
>>〔1〕仔馬にも少し荷を付け時鳥 橋本鶏二
>>〔2〕ほととぎす孝君零君ききたまへ 京極杞陽
>>〔3〕いちまいの水田になりて暮れのこり 長谷川素逝
>>〔4〕雲の峰ぬつと東京駅の上 鈴木花蓑
【2022年6月の水曜日☆松野苑子のバックナンバー】
>>〔1〕でで虫の繰り出す肉に後れをとる 飯島晴子
>>〔2〕襖しめて空蟬を吹きくらすかな 飯島晴子
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【2022年5月の火曜日☆沼尾將之のバックナンバー】
>>〔1〕田螺容れるほどに洗面器が古りし 加倉井秋を
>>〔2〕桐咲ける景色にいつも沼を感ず 加倉井秋を
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【2022年5月の水曜日☆木田智美のバックナンバー】
>>〔1〕きりんの子かゞやく草を喰む五月 杉山久子
>>〔2〕甘き花呑みて緋鯉となりしかな 坊城俊樹
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【2022年4月の火曜日☆九堂夜想のバックナンバー】
>>〔1〕回廊をのむ回廊のアヴェ・マリア 豊口陽子
>>〔2〕未生以前の石笛までも刎ねる 小野初江
>>〔3〕水鳥の和音に還る手毬唄 吉村毬子
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【2022年4月の水曜日☆大西朋のバックナンバー】
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>>〔2〕回廊をのむ回廊のアヴェ・マリア 豊口陽子
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>>〔4〕鶯や米原の町濡れやすく 加藤喜代子
【2022年3月の火曜日☆松尾清隆のバックナンバー】
>>〔1〕死はいやぞ其きさらぎの二日灸 正岡子規
>>〔2〕菜の花やはつとあかるき町はつれ 正岡子規
>>〔3〕春や昔十五万石の城下哉 正岡子規
>>〔4〕蛤の吐いたやうなる港かな 正岡子規
>>〔5〕おとつさんこんなに花がちつてるよ 正岡子規
【2022年3月の水曜日☆藤本智子のバックナンバー】
>>〔1〕蝌蚪乱れ一大交響楽おこる 野見山朱鳥
>>〔2〕廃墟春日首なきイエス胴なき使徒 野見山朱鳥
>>〔3〕春天の塔上翼なき人等 野見山朱鳥
>>〔4〕春星や言葉の棘はぬけがたし 野見山朱鳥
>>〔5〕春愁は人なき都会魚なき海 野見山朱鳥
【2022年2月の火曜日☆永山智郎のバックナンバー】
>>〔1〕年玉受く何も握れぬ手でありしが 髙柳克弘
>>〔2〕復讐の馬乗りの僕嗤っていた 福田若之
>>〔3〕片蔭の死角から攻め落としけり 兒玉鈴音
>>〔4〕おそろしき一直線の彼方かな 畠山弘
【2022年2月の水曜日☆内村恭子のバックナンバー】
>>〔1〕琅玕や一月沼の横たはり 石田波郷
>>〔2〕ミシン台並びやすめり針供養 石田波郷
>>〔3〕ひざにゐて猫涅槃図に間に合はず 有馬朗人
>>〔4〕仕る手に笛もなし古雛 松本たかし
【2022年1月の火曜日☆菅敦のバックナンバー】
>>〔1〕賀の客の若きあぐらはよかりけり 能村登四郎
>>〔2〕血を血で洗ふ絨毯の吸へる血は 中原道夫
>>〔3〕鉄瓶の音こそ佳けれ雪催 潮田幸司
>>〔4〕嗚呼これは温室独特の匂ひ 田口武
【2022年1月の水曜日☆吉田林檎のバックナンバー】
>>〔1〕水底に届かぬ雪の白さかな 蜂谷一人
>>〔2〕嚔して酒のあらかたこぼれたる 岸本葉子
>>〔3〕呼吸するごとく雪降るヘルシンキ 細谷喨々
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【2021年12月の火曜日☆小滝肇のバックナンバー】
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>>〔2〕内装がしばらく見えて昼の火事 岡野泰輔
>>〔3〕なだらかな坂数へ日のとある日の 太田うさぎ
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>>〔4〕みな聖樹に吊られてをりぬ羽持てど 堀田季何
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>>〔4〕埋火もきゆやなみだの烹る音 芭蕉
>>〔5-1〕蝶落ちて大音響の結氷期 富沢赤黄男【前編】
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>>〔4〕未婚一生洗ひし足袋の合掌す 寺田京子
【2021年10月の火曜日☆千々和恵美子のバックナンバー】
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>>〔3〕どつさりと菊着せられて切腹す 仙田洋子
>>〔4〕藁の栓してみちのくの濁酒 山口青邨
【2021年10月の水曜日☆小田島渚のバックナンバー】
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>>〔2〕稻光 碎カレシモノ ヒシメキアイ 富澤赤黄男
>>〔3〕嵐の埠頭蹴る油にもまみれ針なき時計 赤尾兜子
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【セクト・ポクリット管理人より読者のみなさまへ】